コムニタスの現在地

井上博文

井上博文

テーマ:京都コムニタス設立の理念

コムニタスとは、その名前からも想像がつきやすいのですが、コミュニティと近い関係にあります。コムニタスって何ですか?というコラムでも書きましたが、名前に関する質問はよくいただきます。是非このコラムをご覧いただけたらと思います。

私たちが目指すところについては前回書きました。今回はその現在地についてです。今私たちが目標に向かってどんな努力をしており、それがどの程度できてきているのか、について述べていきます。

そもそも大学院用の塾は、日本においてはかなり特殊カテゴリーです。日本は大学受験が、人生の最大イベントであると、長く認知されてきました。しかし、周知の通り、超がつく少子化によって、その状況は変化しています。何せ、今や75万人しか子どもが生まれていません。私は第2次ベビーブーム世代の団塊ジュニアですので、約210万人生まれた世代です。ほぼ3倍です。旧センター試験は約40万人が受けていたわけですから、210万分の40万と75万分の40万です。どれだけ子どもが少なくなっているかは明白です。しかもこれからも減り続けることは間違いありません。100万を切った時に「大ショック!」なんて見出しがたくさん出ていましたが、もはや多くの人の関心もなくなってきたのではないかと思います。それこそ70万を切る時代はすぐに来てもおかしくありません。故に、あと10年もすれば、800ある大学の多くが立ちゆかなくなるのは自明であり、若者が大学受験に意味と価値を見いだすことは困難になるのは明らかです。

その中にあって、私たちは20年前に大学院受験の塾として立ち上がりました。私は、大学の力も価値も大学院で決まると考えて来ましたが、肝心の院生が食べていけないという言説が当然のように流布していました。そこで、私は、院生になって食べていける教育を提供して、多くの人が大学院に行きたくなり、入って、自分でも驚くほど勉強して、社会に出て行くことが、誰のためにもいいのではないかと思って、その仕組みについて考えて来ました。

そのためには、臨床心理士はとても素晴らしい資格でした。
大もうけはできないものの、多くの人が食べていける資格だったからです。
少なくとも、コムニタス出身者で、「食べていけない」と言われたことはありません。
連絡をくれる人だけなのかもしれませんが、たいていの場合、「何とかやっていけてます」と言ってくれますので、私としては安心して大学院に送り出せてきました。

しかし、2018年より、国家資格の公認心理師ができたことで、大きく社会情勢は変わりました。私たちのやることの基本構造は変わりませんが、これは大きな変化でした。私たちが送りだした人たちが、また新しい資格を取らねばならないということになりましたし、大学の心理士養成のあり方が大きく変わりましたし、さらに言えば、今の学部からの大学院までの6年教育は、社会人で心理士資格が必要となった人たちにとってはあまりにもハードルが高いものになってしまいました。
そして図らずも制度上、臨床心理士との棲み分けができるようになりました。しばらくは臨床心理士と公認心理師は共存するでしょうし、臨床心理士の価値は現時点では落ちていません。

そこにやってきた予想外がコロナ禍でした。これはもちろん私たちだけの問題ではなく、世界中を巻き込みました。実は今もコロナ禍はあるのですが、少しずつ多くの人が慣れてきたのか、メディアが操作しているのか、されているのか、ほとんど誰も何も言わなくなりましたが、社会は一変しました。特に私たちのような業種への影響は大きかったと思います。

公認心理師の創設と、コロナ禍という二つの影響は、私たちコムニタスにとってもたくさんのことを考えさせられました。そこで、私の判断として、会社形態を根本から見直しました。まずは引っ越しと社名変更をしました。
(といっても、株式会社京都コムニタスが株式会社コムニタスになっただけですが)

具体的にどう変えていったかというと(まだ途上です)、基本は大学院に行った人が食べていけるというコンセプトはそのままに、特に行き場を失いつつあった心理職を目指す社会人の方々に心理職への道筋が見えるようにしようという方向性を打ち出しました。


社会人が公認心理師を目指すには、学部に入り直す必要があります。それには学部に編入するのが最短距離になりますが、仕事があると通信制に入るのが合理的な選択肢になります。
聖徳大学、京都橘大学、放送大学が対応しているので、そこに入って単位を取る必要があります。しかし、数年たつと、問題が出てきました。特に実習の問題は深刻です。放送大学や京都橘大学は、選抜試験があり、20倍前後の倍率になってしまうのです。これでは、編入の意味が問われてしまいます。私たちもこの試験をパスするための対策をしています。

そこで、コムニタスの編入入学から、入学後の勉強の進め方、実習選抜突破、卒論、大学院合格までを保証するコースを作りました。さらに公認心理師や臨床心理士試験にも対応し、修論の手伝いもできるようにしています。そして就職情報があれば、それを共有しています。

これにて、今までは「大人が勉強できる塾として、コムニタスで学び大学院に行き、食べていけるようになる」というコンセプトは活かして、「心理職の総合パートナー」になることを宣言するに至りました。

次回は、じゃあ、なぜそこまでして「心理職の総合パートナー」であろうとするのか、について述べていきます。そこには解決すべき社会課題がたくさんあり、心理職を増やすことが、それに資すると考えているからです。この点について現時点で考えていることを述べていきます。


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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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