現任者講習#2
当面は両資格を取れる人は取りましょう。
第7回公認心理師試験まであと半年と少しになりました。最近、よくいただく質問として、
「公認心理師と臨床心理士のどちらの資格を取れば良いのですか?」
「両方とらないといけないのですか?」
「どちらかだけでもいいのですか?」
こういったものが増えています。
結論としては、両方を取れる人は取りましょう。
今の段階でどちらがいいかの優劣をつけることはできませんが、第1回試験から第7回試験までの間に公認心理師は約7万人生まれました。
現時点で、私自身何度か述べてきましたが、臨床心理士の価値は落ちていません。
これはとても重要なことです。
公認心理師の真価が問われるのは第7回試験以降
第7回試験の結果が出て、おそらくは1500人程度の初めてAルートをコンプリートした人が公認心理師になって活躍し始めた時に、やっと公認心理師の真価が問われることになります。大雑把に言えば、今から5年くらいすると景色が変わってくるかもしれません。これから生まれてくる公認心理師がどのような仕事をしていくかによって、臨床心理士が影響を受けるのは間違いありませんし、いずれ優劣がつき始めるのかもしれませんが、今はまだ臨床心理士の価値は高いままです。
今は、とにかく両方取れるならとるのがベストであるということです。
養成機関が同じである以上、事実上同じ資格と言わざるを得ない
現時点でほとんどの臨床心理士指定大学院が「公認心理師も取れる」という立ち位置を取ろうとしていますし、そうせざるを得ないと思います。公認心理師養成コースを別に作ることは不合理すぎるからです。臨床心理士養成の側としては、この立場を堅持することが重要と見られます。しかし、現時点では、「学部の単位と実習(80時間)を取ってから卒業し、大学院に進むというシステムですから、公認心理師は、実質的には大学院に行かねば取れない国家資格であるため、何名輩出できるかは、大学にとっては重要な広告宣伝情報になります。
学部で公認心理師の単位が取れるのは、我々の調査では平均30名程度です。場合によっては選抜テストやGPAで選抜されるということもあります。
ただ、それでも特に公認心理師を臨床心理士の上位資格にしようとする意図を見いだしたことはありませんん。それでも今は、「両方取れるなら取りましょう」が結論です。私としては、上位下位のない資格になっていくべきなのではないのかなと思っています。
意外に気づかれないのですが、公認心理師の単位には、学部も大学院も卒論、修論はありません。研究法は学んでも、それを発揮する場は、臨床心理士の側だけにあります。しかし、心理職の就職面接では、どんな研究をしたかは当然のように問われますし、また、当塾でも研究員として、職を得ている人もいます。
以上から、公認心理師と臨床心理士は、内容的にはほぼ違いのない資格で、学部で国家資格について学び、大学院で臨床をしっかり学び、研究をして、現場に出ることができるようになってくれれば、大学院としては、どちらかの資格にこだわっているというところは少ないということです。
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