何事も見方、言い方、とらえ方次第-言葉を尽くす
教師は生徒のできることを探す
私が必修の授業でよく言うことに「適切な自己分析」があります。常に自分のできること分析することを推奨しています。大学院入試の世界では、「できないこと」はあまり重視する必要はありません。できないことを挙げればキリがないからです。多分、一生頑張っても空は飛べませんし、100メートル9秒台で走ることはできませんし、マラソンで2時間を切ることもできません。ボーリングのレーンをホップステップジャンプの三歩で越えることもできないでしょう。そんなできないことを探すよりも、一つでもできることを増やすことの方が重要ですし、過去を振り返って、実績のあることや経験、資格などなどを一つずつテーブルに並べてみることが必要なのです。
まずは見る
私自身の話になりますが、京都コムニタスも開業20年になりそうです。私は公教育以外では様々な形態の教育に携わったつもりです。今は当塾と大学で教育活動をしていますが、その他にも様々足を運んでいます。常にどこかで誰かに何かを教えています。
よく聞かれる質問に(今年は特に聞かれました)「なぜこのような塾をしようと思ったのですか?」というものがあります。私の答えは常に「できるから」です。決して「好きだから」ではありません。もちろん嫌いではありません。しかし、いくら好きでもできない人に習うのは生徒側も困ると思いますし、不利益になります。では、何ができると考えているのかというと、私が他よりも自信をもって長けていると考える能力は「人を見る能力」です。では何を見るのかというと、まず、生徒が「何がわからないか」です。勉強する人にとって最大の敵は「わからないことがわからない」です。私はまずこれを無くすことを重視しています。それには各生徒のわからないことを明確にしておかないと的確な指摘はできません。「わからないことがわかった」という状態を作ることができれば、あとは自分でもどんどん進めていくことができます。
私の「見る能力」以外の能力は「メディア力」と言いますか、相手がどのような情報を望んでいるかを、日々のやりとりの中から掴み、それを情報提供できる能力です。これは当塾が生徒とのつながりを重視しているからできることでもあります。もちろん教える能力にもそれなりの自信は持っていますが、それは上記メディア力があるならば当然ですし、講師である以上、教育能力はあって当たり前ですので、殊更主張することではないとも考えています。
引き出す能力
もう一つは、生徒の持っているものを引き出す能力です。いつも言っていることですが、イメージは「ドラゴンボールの最長老様」です。(もはや古いのでしょうか?)その人?は潜在能力を手かざしだけで引き出せるという能力を持っていました。さすがに私はそれはできませんが、要は眠っている能力を起こして引き出す能力です。生徒が手に持っているものを引き出して、形にするわけですが、結構介入度が高いので、それなりに注意が必要です。ですから、結構技術が必要なのです。こんな感じで自分の能力を言葉で説明できることは自己アピールでも必要な能力になります。
京都コムニタスでは、生徒の能力を引き出すことこそが最も重要な仕事と考えています。そうすれば自然に合格に近づきます。その際に必修の授業が下地にあります。必修では、まず最初に適正な自己分析を説きます。自分に誠実になって「できること」のリストアップをすすめます。多くの人はできることよりも「できないこと」ばかりを強調します。私は、とにかく各生徒に対して、「何ができるか」を直接、間接いずれからも聞くようにして、情報収集しています。その意味では自己肯定感が無駄に低いと妨げが多いですので、必修の中で、「私みたいなもの」「私なんて」「私ごとき」このような言葉の使用をやめるように言います。これは、口に出すことだけではなく、自分の頭の中ででもです。
また可能な限り自分に誠実になることも言います。誠実とは面倒がらずに、自分のできることを探すことです。自分の知っている英単語の数を正確に知っていても全く問題ありませんが、そんな人はほとんどいません。であるのにも関わらず、多くの人は「私はそもそも単語力がありません」と堂々と言い放ちます。非常に漠然としているのです。自分に誠実になれるのは自分しかいません。そこをよく知らせるのは教師の仕事です。私たちの仕事は今、その生徒の中に何個の単語があるかを気づかせることと、その単語の使い方を教え、その数に応じた対策を一緒に考えることです。自分を正確に知ることができてくると、無駄に自己卑下をしなくなり、また、意味不明な自信もなくなります。そして、今自分がわかっていないことに気づき始め、それをわかるために何が必要かを考え始めます。これができてくると、少しずつ能力を引き出すことができるようになってきます。
能力を引き出すには疑問を持たせることも重要
生徒の能力を引き出すには、生徒にできるだけたくさんの気付きを提供する必要があります。それには、それだけたくさんの疑問を持たせることも必要です。疑問を持つことは論理的思考をするために必ず必要なことです。まず生徒は自分自身に疑問を持つことから始めます。適正な自己分析です。それ以外にも、自分は何をしたいのか、大学院に入ってどんな成果をあげたいのか、臨床心理士や公認心理師の資格をとってどうしたいのか、将来どうしたいのか、何になりたいのか、何の研究がしたいのか、どんな情報が欲しいのか、なぜ大学院に行きたいのか、他にもいくらでもあります。
よく考えてみると、疑問だらけです。このような疑問は、何となく自分だけで答えを出さないといけないような気になりますが、決してそんなことはありません。むしろ、我々がいくつかの質問をぶつけてそれに答えられない自分に気づいてもらうことも重要なことです。人生に関わることですから、決して簡単に答えられないこともたくさんありますし、簡単に答えを出さない方がいいこともたくさんあります。
しかし、答えは慎重に出していくにせよ、疑問がないことには始まりません。そして、細かく疑問詞を変えることも大切です。
「なぜ心理職者になりたいか」
「心理士になってどうしたいか」
「いつから心理職者になりたいと思っていたか」
疑問詞を変えると答えも答え方も変わります。このような作業を行い、少しずつ答えを出していくと自分に対する気づきをたくさん得ることができます。この気づきが自分を変えてくれます。私たちはこの気づきを得るために、良い方向に導くことが重要な仕事になります。
***************************
公式ホームページ
大学院・大学編入受験専門塾 京都コムニタス
心理職大全
臨床心理士・公認心理師大学院受験コース入塾説明会
合格速報
コムニタス総合研究所
ご質問・お問い合わせはこちら
自分磨きのための仏教
龍谷ミュージアム