古宮昇先生講演会
早いもので、もう研究計画書を手がけないといけない時期になってきました。7月に入試のある大学院もあります。兵庫教育大学は8月に試験がありますので、7月には願書提出になりますから、もうあまり時間がありません。京都コムニタスの仕事は、試験会場にベストの状態で送り出すことですが、その中でも書類作成は最重要課題になります。学科の授業をしていれば、塾生をベストに仕立てあげられるものではありません。学科の力を上げることは、当然のこととしておいて、ひとりひとりと深く関わって、その人の「何がしたい」を引き出して、修士論文に耐えうる研究計画書として文章化し、かつその学校でなければならない理由を書類にした志望理由書を作り、そのためにオープンキャンパスや、必要とあれば研究室訪問もします。その上で面接対策をして、やっと送り出すことができます。この時期になると、私の予約表が日をまたぐことも珍しくはありません。ただ、最近はzoomでできますので、ホテルを取って、夜中に英語を読むという光景はほとんどありません。ここからは我々スタッフの腕の見せ所でもあります。研究計画を組み立てていくには一定の時間と作業を要します。シーズンになると出願が次々ありますので、大学ごとの書式に合わせて作る必要があります。願書提出直前で突貫工事で作っても、良いものはできません。本当の意味で自分が何を明らかにしたいと考えているのかについてよく考え、少しずつ突き詰めていくと、徐々に光が見えてきます。しかし、そうすると、また違った分かれ道が出てきて、どちらに進むか迷います。これを何回も繰り返していくうちに、面接に耐えうる研究にたどり着くことができるのです。その作業中に、自分の中の漠然とした言葉使いに気づきます。例えば随分昔の話ですが、「大人をなめる子ども」に興味があるという人がいました。まず「なめる」の意味がわかりません。だとすると「なめる」に近い表現を探していくうちに、「見下し感」が近いと感じます。そのうちに「仮想的有能感」に気づき、そこでゴールかと思いきや、実はそこからがスタートであったりするわけです。こういった作業を生徒と私たちとで、何度も繰り返していくうちに錬磨され、少しずつ良いものができあがってくるのです。
その意味で、できる限りよい研究計画にすることを常に心がけておきましょう。このような書類はこだわって良いものを作っても、終わりはありません。必ずどこかに改善点はありますし、成長の余地があります。あくまで現時点の精一杯ということになります。ですから、提出最終日まで改善をするという意識が必要です。京都コムニタスでは、提出期限最終日に出すのが通常で、早めに出す人はほぼいません。それくらい最後の最後まで少しでも良いものを作ろうとする意識が必要ですし、そこまでしっかり手を掛けたものは、自分の誇れるものとなります。
いくつかの大学院では研究計画をさほど重視をしていないところもありますが、それでもやり方は同じです。一回手を抜いたり妥協をしてしまうと、癖になると言うか、「これでいい」というラインが勝手にできあがってしまいます。よく「どこまでやればいいですか?」という質問を受けますが私は「できる精一杯」とだけ言います。そういう習慣を身に付けてもらいたいですし、安易な妥協は避けなければなりません。実際に研究活動をしていると、妥協というよりは、期限が来たことによる諦め(よく言えば見切り)との格闘になることは避けられません。だから、研究計画の段階で「現時点の精一杯」を尽くせない人は、将来性に欠けます。この段階で手を抜いたり、勝手な妥協のラインを決めてしまう人は、うまくいかなくなってしまう可能性があります。京都コムニタスに来ていただいた人には、そうならないように、しっかりと最後まで力を尽くしてもらっています。
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