暴力に教養で応える
本当は5月の勉強方法を書くつもりだったのですが、複数(けっこうたくさん)の人から「なぜ緊急事態宣言の効果がないのか?」というを受けて、多少の回答をしましたので、それに沿って述べます。
当初から世間様では、この3回目の緊急事態宣言の効果は懐疑的でした。私は4月23日のコラムで
「緊急事態を出したら魔法のように感染者が減って、また増えたら出す「切り札の魔法」と思っているようであり、これで減らなかったらどうするかを何も決めていないところがこの国の最も恐ろしいところです」と書きました。
やはりポイントは「科学的か否か」であろうと思われます。原発事故の時にも目に余るものがあったのは、「放射能は正しく恐れましょう」と基準のハードルをどんどん緩める連中が言ったことです。何もしらないはずの「何でも評論家」もそう言っていました。これだけでも私にとっては衝撃的でした。しかし、コロナ禍では、それ以上と言ってもいいと思うのですが、全く科学的な思考がなされず、何かの判断がなされていきます。また科学的思考ができない政治禍が、いくら失政をおかしても、堂々となお失政を繰り替えしている点がさらなる悲劇です。
例えば大阪市のホームページでは、ちょうど1年ほど前、市長が雨合羽を募集していましたが、医療従事者が雨合羽を着ている映像を見た人はどのくらいいるのでしょうか?私は見たことはありませんでしたが、この記事によれば、本当にいたそうです。これに対して市長は「ないよりまし」。府知事は「その情報はデマ」と言い、府と市を一体化しようとしてきた連中の言うこととは思えない言動です。いずれにせよ、科学的ではありません。今雨合羽でコロナ患者の治療にあたる医療従事者がいたら大変なことです。
怖いことは、科学的でない政策もどきが乱発されると、次第に人々は興味を失います。もはや雨合羽のことさえ忘れている人の方が多いでしょうし、イソジン騒動も「どうなってんねん?」と言う人も今やいないでしょう。嘘と非科学に塗り固められた思いつきでは、誰も説得されないのは明らかですが、もう少し掘り下げて、嘘と非科学の思いつき政策の何が問題なのかと言えば、
まず「基準がない」ことが最大の問題です。
「緊急事態宣言で強い措置を・・」といった前政権と同様、言葉はいろいろ言うのですが、誰がなんと言っても明確な基準を設けないところが恐ろしいところです。
例えば、最初の緊急事態宣言がなされた時は学校を止めましたが、今回は学校は平常通りです。でも今は若い人の感染が増えていますし、私の周辺の中学校でもクラスターは出ています。仮に基準があるならば、学校を止めるか、止めないかは明確なはずです。どちらでもいいので、科学的根拠に説得力があればいいのです。「人流を止める」のが目的なら、少なくとも学校は百貨店よりも止める対象でしょう。大学生は300万人近くいます。中学生も高校生も300万人ちょっといます。小学生は6年ありますから600万人くらいです。要はすべての学生は1500万人くらいいるわけです。これだけ動いても問題がないという明確な根拠を見たことがありません。これだけ動いても、マスク、消毒など感染予防をして大丈夫なら、当然学生はマスクをして外出すると思います。
また、年齢別に基準があるという話は聞いたことがありません。例えば(あくまで仮)日本中で1000人の感染者が出たら緊急事態で100人を切ったら解除。だからその数字に達さないようにお願いする・・なら、まだわかりやすいです。1000人の根拠なども聞かれるでしょうが、「専門家」でそう言う人がいれば、その見解を採用すればいいだけのことです。緊急事態を出すのも、解除をするのも、オリンピックをどうするのかも、基準がないのです。ステージ云々があるとしても機能していないのも問題です。ここまで基準を作りたがらないところを見ると、できないということもあるでしょうが、より悪辣なことを考えているように思えてなりません。陰謀論は基本的に加担したくないですが、どうしても疑心暗鬼になります。
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