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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

京都コムニタス

コラム

国民投票法改正?

2021年4月30日

テーマ:思考方法

コラムカテゴリ:スクール・習い事

誰もがゴールデンを感じられないゴールデンウィークに入り、また憲法記念日が近くなりました。今年は先取りで書きます。国民投票法が改正されるのだそうです。このコロナ禍で不要不急にしか思えませんが、さすが、前政権からどさくさに紛れて良からぬことをするのは、見事に現政権にも引き継がれており、相変わらずどうしようもない政権が続きます。とは言え、現行法の問題を解決して改正するというよりは、現行法の問題は全部スルーして、枝葉をカスタマイズした印象です。どうでもよさそうですが、前政権から引き続く国民にあだをなす恐ろしい政権のすることですから、何か国民を陥れる罠があるのかもしれないと疑心暗鬼になります。

国民投票法を改正するなら、憲法改正のためだけではなく、犯罪を犯したり、法の抜け道を使った脱法行為をする政治禍を一掃できる国民投票とセットなら投票率も上がるでしょう。
この今の法律の最大の問題はありすぎて言えませんが、私個人が最もおかしいと思うのは、

国民の承認:憲法改正案に対する賛成の投票の数が投票総数の2分の1を超えた場合は、国民の承認があったものとなります。

となっており、明らかに国民の半分ではありません。有権者が18歳以上ですが、最低投票率か、最低得票数を決めていない時点で悪意に満ちた法律です。こんなマンガみたいな無茶苦茶を通すなら、否決された場合は、発議した内閣、3分の2の議員全員が永久に議員になれないくらいのリスクがないと割に合いません。そのくらい無茶苦茶な極論で、極論のまま法律になっています。1000人しか投票しなかったとして501人の賛成で承認と理解できるからです。普通はこれは極論ですが、現実の話として、現行法は極論のままです。2分の1の理解を為政者の都合の良い方向にねじ曲げているからです。有権者はだいたい1億くらいいると言われます。もちろん全員が投票しないにせよ、選挙ではなく、国民投票で出来レースをしたいのであるならば、こそっとやらずに、同等のリスクを示してくれれば、本気度が伝わり、憲法改正に多くの国民も目を向けるようになるのではないかと思います。極論を法律に盛り込むなら、対極のリスクを受けてくれないと、説得力はありません。

そもそも国民投票は法的根拠のなかったものですから、通常の選挙とは違います。この点がとても大切なところです。だから一般の選挙の常識がそのまま適用される必要もありませんし、一般人からすると、それほど興味をかき立てられなければ、投票に行くとも思えません。そもそも憲法を改正してほしくて、先の選挙で当選した議員に投票した人などわずかでしょう。だから投票率が上がるとは予想できません。もちろん、与党は投票率が低い方が都合が良いわけですが、そんな投票を目論むこと自体、不健全極まりないと言えます。犯罪者だらけの国会議員を一掃できる国民投票をしたいという国民の数と、憲法を改正したいという国民の数がどのくらい差があるかはわかりませんが、同じようなものではないかと想像します。

繰り返しですが、通常の選挙は人を選択するわけですから、選びたい人がいないこともあれば、消去法で選ぶこともありますので、犯罪者や脱法者を選んでしまうこともあり得ます。国民投票は、そうではありません。犯罪者や脱法者を含む議員が発議した憲法改正に対して投票をするわけですから、投票自体が国民にリスクになります。
まずあり得ないでしょうが、仮に、自分たちが追放されるような投票の法律を作るなら、犯罪者や脱法者は、間違いなく「国民の半数」のハードルを今よりもはるかに上げるでしょう。最低ラインとして、その上がったハードルを「国民の半数」とすべきでしょう。

その程度の連中が暴走するのを拘束するのが憲法ですから、前政権になって初めて、私は憲法改正はより慎重になるべきという考えを持つようになりました。このコラムに最初に書いた憲法に関するトピックはこちらです。どちらかと言うと少しずつ丁寧に改正していくことが望ましいという考えは今も同じですが、前政権を見て、初めて、現憲法はこういった連中の再発(戦争で負けた時と同じような政権の再発)を想定して、暴走しないように拘束しているということが深く理解できました。

 「憲法を改正するところが複数ある場合、憲法改正案は、内容において関連する事項ごとに提案され、それぞれの改正案ごとに一人一票を投じることになります」

ここがワンパッケージに改正されなくて(多分。罠がなければ)良かったとは思いますが、ただ、よく読むと意味不明な文言だらけです。特に「内容において関連する事項ごとに提案され」は??だらけです。先に国会議員が議論して結論が出たり、変わったりしたものが国民に提案されるのであるならば、実は選択の余地がないということもあり得ますし、私たち国民が例えばA案B案の選択をするとは読めません。「関連する事項ごとに」という文言はワンパッケージに賛成か反対かだけを国民が投票する可能性を残しますので、これまた恐ろしい話です。

ただ、当面発議されないでしょうし、あの悪夢の前政権でも結局は何もできなかったわけですので、善し悪しはともかく、政治禍からの危険に国民がさらされる可能性は低いと思いたいところです。コロナ禍は自分たちで何とかしないといけないと、1年間無策を通した政治禍は、自分たちの無能を限界にすり替え、日々お願いと称して叫びつつ、憲法改正はこそっとそのコロナ禍のどさくさで進めようとする。この構造が最も危険です。


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