東日本大震災から10年

井上博文

井上博文

テーマ:雑感

今日で震災から10年になります。昨日の事のように心に刻まれていますが、年月の早さは残酷にも思えます。

私が経験した阪神大震災はもう歴史の一幕になりつつありますが、東日本大震災は、まだまだ記憶に新しいと言えます。それでも、この震災を知らぬ世代が小学校では大半になっています。やはり10年という年月は重いものです。

阪神大震災のあと、臨床心理士が世にたくさん出るようになりました。公認心理師法ができて、この試験の最初の問題が、この震災に関係する問題であったことからも、あのような大きな災害は、人々の心の中に強く刻み込まれます。雑誌の記事などでは、次なる地震についてもいろいろ言われていますが、あまり不安をあおるようなことは言って欲しくないと願います。悪夢の前政権が終わり、ボロボロの現政権で、これ以上の災害が起こると、どのような嘘をつかれるかわかったものではありません。自らとその関係者の利益だけのために生き、人の心を持たぬ命を軽んずる政治禍と官僚しかいない官が乱れるどころか腐りきったこの国で、あのような災害が起こってしまうと、致命的になってしまいそうな恐怖感があります。とは言え、まともな政権など絶望的である以上、どのような政権であっても、できるだけ大災害は起きて欲しくないと願います。

日本では古来、僧侶は官僚であり、年分度者といって、最初は10名の選ばれしエリートが僧侶になっていました。後に平安京の時代、最澄、空海の功績により、平安京仏教で5名追加されることになり15名となりました。彼らの仕事は祈ることです。私は一般人であり、並大抵の人間ですので、願うことくらいしかできません。これはかなうことを期待してのことですが、あまり効力はありません。多くの人の願いが結集すると、それがかなうこともあるかもしれません。
一方で、祈りとは、人知の届かない抽象的ではあるものの、人間や社会にとって必ず必要なものに対して捧げるものです。例えば「五穀豊穣」「国家安寧」などがそれに当たります。ちょうどこの時期はお水取りの時期でもあります。皮肉と言えば皮肉ですが。これは誰でもできるものではありません。ある種特殊な能力を持っているとされる人々がその役割を担ってきました。お水取りであれば選ばれし11名の練行衆が行います。またシャーマニズムはその典型例でしょう。何度か書きましたが、この国は、祈りに下支えされてきた歴史があります。それを担ってきた人々が天皇家として今もなお、祈り続けておられます。前政権、現政権ともそれを冒涜するかのごとき言動があまりにも多いのが残念です。彼らは保守ではありません。彼らが守りたいのは自分の利益だけであって、この国が大切にしてきたものは全力で壊すことに生きがいを感じているようです。こういった連中が、祈りの効力を壊し、この国に災いを呼んでいるのではないかと、私は邪推しています。

それでも、阪神大震災も含めて、このような大震災が起こった日には、名もなき人々の切なる願いと、古来祈りを捧げてきた人々の、永続的な祈りが合わさる時でもあります。どうしても地球の都合にはかなわないので、災害が起きないように願ってもなかなか届きませんが、この日の願いや祈りが人々の心の安寧に役だってきましたし、これからも役立ち続けるのだと思います。


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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

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