嘘と強弁と逆ギレ

井上博文

井上博文

テーマ:雑感

多分、タイトルの三点セットは日常生活では、誰にでもあることですが、自分がそういうことをしているということを、おそらく多くの人が認めたがらず、他人事のように捉えがちなことです。この三点セットを他人のためにすることもあるので、それは褒められたものではないにせよ、いわゆる現実生活の中では、仕方のない部分でもあります。きれいな言葉として伝わるのは「告知」の問題などもその部類だと言えます。医師も、医療従事者も、家族も、少しずつ当事者に明確な事実を伝えないと思います。
私も数年前事故で病院に運ばれましたが、レントゲンを見ると、あからさまに折れています。「これ折れてますよね」と技師に聞くと、「すみません、私は言えません」とのこと。そりゃそうだと、あまり事情を知らないくせに納得しました。医師はというと、「ぽっきり折れてますね」とは言うものの、「開けてみないとわかりませんけどね」との慎重な態度。これもそりゃそうだと納得しました。さらに手術をした場合、しなかった場合、それぞれどういったリスクがあるかを教えてはくれましたが、決して「治る」「元に戻る」という言葉は使いませんでした。多分そうだろうな、とは思っていましたが、やはり、相手方からすると、わからないものはわかりませんし、私がどんな受け取り方をするかもわかりませんし、一定のルールもあるでしょう。だから、どうしてもはっきりとした言い方ができないのだと思います。
変に治りますと言ってしまうと、「治る」の定義からして難しくなります。「修復」や「補強」はできても、それをもって治るとは言えないかもしれませんし、私の理解に委ねられる面もあるからです。私の理解が悪いと、私が逆ギレするというリスクも医師の方は考えると思います。だから、こういったやりとりは当然と言えば当然です。

一方で、今の政府の嘘は、ある意味尊敬できるくらいに躊躇がありません。まさに息をするように、呼気をはき出すように嘘をつきます。私が裁判をした相手も同じでしたが、本当のことを言ったら損をすると思っているのではないかというくらいに躊躇なく嘘をつくのです。ただ、やはりすぐに限界が来て、矛盾が生じるので、裁判官もあきれていました。
このコラムを書いて10年くらいになりますが、うち7年が今の政権です。まさに悪夢の7年です。躊躇なく嘘をついて、矛盾を指摘されると、強弁と逆ギレ。日々の国会のニュースでもそのオンパレードです。研究者のたまごと、小さい子どもには見せてはいけない映像です。こんな連中が「美しい国」という言葉を使うと、以前は失笑していましたが、今はこの強弁を通すために何をするのかと怖くなります。今の首相は、「消えた年金は最後の一人まで云々」「北方領土は・・」「拉致被害者は・・」「○%の経済成長」「憲法改正は・・」「教育改革が・・」「地方創世」「災害に強い国作りが・・・」「外交、防衛が・・」言い出すとキリがありませんが、何かをすると、必ず反対する人がいます。仮に拉致被害者を取り返しても、反対する人はいます。それでも、実際に実現するために政治家はいるのだそうです。最初の演説で地方創世で、実名まであげた人が実は・・・なんて話が国会の開幕である国です。それを追求されると実名まであげたのに個人情報だから言いたくないのだとか。もうかわいそうになるくらい滅茶苦茶です。平成は失われた30年という人はたくさんいます。私は必ずしもそうは思いませんが、そのうち後半の7年はこの政権であったことは紛れもない事実です。失われたのは政治家が事実を言う姿勢と、役所の文書と歴史です。この首相がやってのけたことの集大成が、今国会で問われている「嘘の上塗りの塗り固め」なのだろうと思います。でもこれは無理筋です。桜云々が「国家機密」とまで言い出したようですが、何かの情報を指して「国家機密」って言った時点でアウトですよね。もう機密ではありません。機密というのは、機密であることさえ機密にするものです。というより写真を見たらわかる情報を国家機密って・・こう言わざるを得ないくらい追い込まれている官房長官がむしろかわいそうな気もしますが、今の私たちの国の政治家はこの程度のこともわからなくなっているし、これで何とか切り抜けようとしていますし、それができなければ副総理のように「うるせえ!」と威圧すればいいと思っているのでしょう。ここまではき続けた嘘が臨界点に来ていると思います。逆ギレも限界でしょう。あとはメディア次第でしょう。人工的に上がった株とそれで儲けた企業の広告と首相の懐柔に支えられたメディアが目覚めた時、悪夢は終わると信じています。



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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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