関与しながらの観察
北海道試験問38
チーム医療の考え方として、最も適切なものを1つ選べ。
という問題が出ました。「チーム」という言葉は現任者講習にも言及されますが、公認心理師を語る上で非常に重要な言葉です。チーム医療はブループリントでも公認心理師の職責の箇所と、健康医療に関する心理学の2カ所で出てきます。複数出てくるキーワードは重要であることは間違いありません。今回の問題は、非常に漠然としており、選択肢次第で何度でも、如何様にも問題が作れますので、今年も何らかの形で出る可能性は非常に高そうです。
選択肢は以下の通りで、解答は③になっています。
① チーム医療は医療機関内で提供されるものをいう。
② 患者や家族は医療チームの構成メンバーの一員とみなされない。
③ チーム医療のリーダーシップは状況によって構成メンバーの中で移譲される。
④ 構成する専門職個々のテクニカルスキルが高ければ、チーム医療は効果的に遂行される。
いずれにしても、まずはチーム医療に関する正確な知識が必要です。この問題を通して多少は学べますので、勉強しておきましょう。
①は「チーム医療の実践は医療機関内にとどまらず、アウトリーチの潮流・国策が『病院から地域へ』とチーム医療を後押ししている」(下山晴彦編 (2016) 公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法 p.17 医学書院)とありますので違います。
②「チーム医療の考え方としては、患者やその家族を中心におき、それを各専門職が囲む形で支援や援助を提供するイメージで理解されることが多いが、患者や家族もチームの一員となり、ともに問題点に向かって対処していくというイメージになっていけことが望ましい」(同上 p.20)とありますので違います。
③「今までは医師がリーダーシップをとり、その指示のもと各職種が分業するという色彩が強かったが、現在、各職種が連携し情報共有を行いながら支援にあたることが求められており、『緩和ケアチーム』『精神科リエゾンチーム』『NST(栄養サポートチーム)』など、全科横断型の多職種チームによる活動が診療報酬上でも評価の対象になっている」(同上 p.19)。
④不適切である。「チーム活動は課題志向(課題達成への目的意識が高い)と関係性志向(メンバー間の関係性への配慮が高い)の高低によって、4つに分類される。課題志向も高く、関係性志向も高い理想的なチームおいては、効率性も良く、(中略)一方で課題志向も関係性志向も低いチームにおいてはすべてがうまく回らずチーム間の葛藤は強まる」(同上 p.22)。つまり、構成する専門職個々のテクニカルスキルが高くても、チームとして機能しなければ効果的なチーム医療にはなりにくい。
となっています。模擬試験でもいいですので、チーム医療、チーム学校に関する問題を解いて覚えるのが良いでしょう。
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