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コラム

どうせ声をあげても届かない

雑感

2018年5月26日

こんな記事を見ました。書き手は、小林よしのり氏、言わずと知れた、ゴーマニズム宣言、戦争論の作者です。ネット右翼を作ったのは彼の著作ではないかと、ひそかに思うほど、影響力のある人物です。その方が、日大アメフト部の悪質なタックルをした選手の謝罪と、この国の総理大臣とを比較しています。今回の問題における日大の在り方と、この国の政権の在り方があまりにも似ていると指摘する人は多いようです。いずれにせよ、どのような思惑が交錯したにせよ、日大の選手は、顔も名前も出して事実を言ったことで、アメフトを続けることは難しいでしょうから、人生に影響が出てしまいました。それでも正直に、正面から謝罪をしたことは、彼の矜持だったのかもしれません。日大は学長が出てきて、彼の人生をサポートすると言ったのだそうです。断言しますが、そんな漠然としたことは起こりえないでしょう。まして、彼だけ特別扱いを受ける意味がわかりません。それより、多大な被害を受けているのは、他の部員たちでしょうから、普通に考えると、まず考えないといけないのは、他の部員のケアのはずです。大量の学生の人生が変わってしまう可能性があります。
一方で、小林氏が指摘するところの総理大臣の「嘘つき」ぶりは、比較対象にするのも申し訳ないくらいです。私が強烈に憤りを感じるのはメディアの報道の仕方です。総理大臣に対する報道と、日大に対する報道では明らかに差があります。やっていることは同じなのに、日大は「冷酷」と書いているところもありました。政府とは比べものにならないと思いますが。しかし、愛媛県知事をはじめ、公人も明らかに嘘をついていると認識されていても、この総理大臣は、あまり気にならないようです。ある種特殊な人なのかもしれません。

問題の本質として、忖度という言葉がでてきますが、忖度、別に総理大臣の専売特許ではないようです。大学にも存在したことをとても残念に思います。とは言え、私もそうですが、大学にはとてもとても忖度しています。このコラムでも極力「余計なことは言わない」ようにしています(ほんまかいな)。大学の非常勤講師はいまや教員の半分と言われます。任期付きを入れると、もっと数は増えるでしょう。彼らは(私も含む)大学、及び自分が世話になっている先生に対して、最大限の忖度をしまくります。小さい話なのでしょうが、やはり専任教員が大学では絶大な力を持ちますから、やはり、弱い立場の非常勤は、世話になった先生に対して、強くは言えませんし、彼らからすると、「裏切る」ことはできません。私が、仮に同じ立場になったら(図らずも名字が同じコーチと)・・・本当に考えさせられました。多分、私は師匠を守らねばと思ってしまうと思います(師匠はいらんことするなと怒るでしょうが)。今はメディアが日本で絶対の権力者で、その次が内閣、その次からもうよくわかりません。メディアが「世間」を作ります。危機対応とは、すなわちメディア対応ということになるのですが、「大学のブランド価値が落ちますよ」という脅しを堂々とかけるメディアがいることに、戦慄を感じざるを得ませんし、それに対して、反「反知性主義者」の方々が何も言わないのにも戦慄を覚えます。この国は至るところに絶望感がただよっています。

メディア、日大アメフト、今の内閣、大学非常勤講師、これらの界隈に共通するのは、「どうせ声をあげても届かないという絶望感を生むアウトレイジ」です。こういう時こそ、仏教で言う「慈悲」が必要だと思います。古代インドのアウトレイジの中で、ただひたすら穏やかな表情と、相手に対する優しさを向け続けた人がいたのだと思うと、私たちは多いに見習わなければなりません。


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