セクハラ罪が存在しないとする答弁書が閣議決定なのだとか

井上博文

井上博文

テーマ:雑感

「セクハラ罪はない」
政府は18日の閣議で「現行法令において、『セクハラ罪』という罪は存在しない」とする答弁書を決定した。

だそうです。セクハラ罪なる言葉は、財務大臣が言うだけで、セクハラ罪の有無が議論になったことなどなかったはずですが、閣議で何かを決定するような案件ではないと思いますが。法律的に「ない」ことくらいは、多くの人が知っていると思いますので、誰かを「セクハラ罪」で摘発するということもないということは皆が理解しているとも思います。財務次官のセクハラ問題は、そもそも論点はこんなことではなかったはずです。わざわざありもしない論点を作って、こんなつまらない、議論にもならなかったことが、記録と記憶を失った内閣が「記録」に残すのだとか。悪い冗談にしか思えません。閣議というのは、それなりに大切なものだと想像するのですが。総務大臣が「いじめ問題」を例に挙げ、「『いじめ罪』がないっていう議論はない」と仰ったとか。そして「そういうことを学習してきた人からすると、決して適切な表現ではないということは明らか」と批判したそうです。同様に、セクハラ罪に関する問題は、大半の人が批判する側にいると思います。

記憶と記録を失ってしまう内閣とそれを支持する国をかたる役人は、まず記憶と記録のトレーニングから研修しなければなりません。また、なくしてはいけない公共のものをなくして、謝罪もできない人と、それを褒める人々は、社会人としての基本的な研修を受けなければなりません。「公共のものはなくしたらダメだよ」「忘れそうなら、記録用紙に記録しておこうね」と誰かが優しく(厳しく)言ってあげましょう。一般社会ではそれが普通です。会社の社長室に、社員が人を招いて(まず勝手に入られることはないでしょうから)、その人が大きな利益を得ているのにもかかわらず、その社員は全ての記憶と記録をなくして、しかも社長に報告をしない。社員は株主総会で、「記憶がない」を連呼して、相手方から証拠が出ると、部分的に思い出す。
その人は、特に罪は犯していません。私は刑法に精通していませんので、正確には知りませんが、記憶と記録をなくしただけで、刑事事件になることはないのではないかと思います。しかし、おそらくその人は、場合によっては解雇でしょう。嘘が証明されれば、それこそ刑法に抵触するかもしれません。嘘をついているなら、なぜ嘘をつかねばならないのかは、公共の場では当然追求されます。

セクハラは、その一般社会で、今や許されないものになっているのです。なぜか、セクハラに関することは「昔は・・・」と言われがちですが、今と昔は違います。もちろん、主観的要素が強く、財務次官がした場合と、有力芸能事務所の「アイドル」がした場合とでは、メディアの叩き方が違うと思いますので、「世間」の捉え方も違ってきます。そこは議論の対象になってもいいと思うのですが、実際はスルーです。ただ、当然のことながら、ここでは犯罪行為の議論にはなっていません。社会人として「してはいけないこと」が問題になっているのです。犯罪行為は法律家に任せて、一般社会人は、「してはいけないこと」できるだけしないようにして、してしまった場合は、認めるべきは認めて、反省の必要があれば反省し、謝罪の必要があれば謝罪する。それに伴う責任があれば取る。特に難しいことではありません。強弁するのが、クセになっている内閣とそれを支持する国をかたる役人は、一般社会において、とても簡単で当然とか、常識とか当たり前とか言われることができなくなっているのです。
誰か政治行政現任者講習をしてあげましょう。


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