コラム
京大の立て看板が景観条例違反?
2017年11月27日
百万遍の交差点にある京大の立て看板は、昔からあり、ある意味京都の景観の一つだと思っていました。私もあの付近を通ると、いつもあの看板を見ていました。しかし、この記事を見て、ますます世知辛い世の中になったものだとの思いが強くなりました。これも時代の流れの一つなのかもしれません。景観とは辞書によれば、自然景観と人文景観に分けられるようです。京都にも両方あります。しかし、京都において景観というのは、多くの人がイメージするのは、やはり人文景観の方であり、概ね文化財であったり、重要な建造物が歴史的に作ってきた風景を保存した形で見える状態を指すと考えられます。京大の立て看板は十分な歴史があり、その内容にも好みはあると思いますが、学風を表しているものでもあると言えます。当然ながら京都と京大は不可分の関係にあります。学生が大学を作っていくという意識が強く、彼らの主張が時代を反映することも珍しくはありません。ということで私は京大の立て看板は京都の景観の一つだと考えています。何とか良い形で維持されるといいなぁと思っています。
これにはやはり学生の強い意思が必要だと思います。立て看板を出すことが目的になって、惰性になってしまい、人々の心を打つようなものになっていないと、景観を壊すと言われてしまう面もあると思います。また、個人的な意見として、京都の景観を言うなら、壊すものは他にたくさんあります。梅小路公園に鉄道博物館なるものができましたが、梅小路公園の自然を大いに壊しました。併せて新駅も建設中で、さらなる景観破壊が進んでいます。次々できる巨大なイオンモールが景観に資するはずもありません。ただ、こういったものは経済効果に資すると考えられているのかもしれません。経済効果があるなら、景観は無視するというのでは、条例自体の存在意義が問われます。仮に京大の立て看板のようなものが景観を壊すと言うのであれば、他に景観を壊すと指摘されるものについて、今流行りの「真摯な説明」をしていただきたいものです。余計に反論が出て収拾がつかなくなること請け合いです。
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