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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

想像力を鍛えましょう

2017年7月27日

テーマ:確実に心理系大学院に合格する勉強方法

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

随分前の想像力と教養というコラムにも書いたのですが、想像力が欠如していると、とんでもないことをしでかしたり、発言したりしてしまいます。もちろん、面接において、想像力を働かせないことは、あまりにも危険です。今の政治家や官僚の言葉は反面教師として、非常に勉強になりますので、是非よく見て学びましょう。嘘をつくと心に決めて、会場にやってきて、堂々と嘘をつき、過去の答弁を修正する・・もうなんでもありになりました・・「記憶にないから、だから言ってません」。官僚がこんな非論理的な発言をして、それがまかり通ると思っている時点で、官乱れ、国滅ぶまっしぐらに思えてなりません。もちろん、これは想像ですが、政治家や官僚のこうした答弁は、想像力の欠如から発せられると言って良いと思います。
想像力は危機察知能力でもありますが、それだけではありません。相手の要望を読み取る能力、過去の文物から、制作者の思いや情熱を読み取る能力にもつながってきます。文化財には、物にもよりますが、先人の祈りが具現化したものもたくさんあります。その先人の祈りに触れられる知性を教養と言うわけです。その教養の先に想像力があります。想像力は、受験偏差値と関係はしません。また、生得的な力でもないと思います。したがって、鍛えて育てる能力と言えます。
基本的に想像力を鍛えるためには、「ない」という状態をなくしていく努力をすることが重要です。例えば、自分の言いたいことをしっかり伝えることは意外に難しいことです。甘えが強いと、「相手は自分の言うことをきいてくれなければならない」と考えがちですが、文字通り、世の中そんなに甘くはありません。自分の言うべきことは自分の言葉で、相手に伝わるように伝えない限り伝わりませんし、伝わらなければ、自分の希望や要求も理解されることはありません。
ずいぶん前ですが、大学でこんな一幕がありました。

普段から不真面目(正確には不誠実)な学生で、毎回授業に始業から来ることはなく、必ず遅れてきた上に私語をするタイプです。先日は授業でDVDを見たのですが、DVDが流れている間、教室から出て、終わったころを見計らって入ってきて、出席扱いになろうとするタイプです。私は出席を授業開始直後、途中、最後とランダムにとります。最近になって、彼が授業終了後、私のところに来て、「出席をいつ取るか決めてもらわな困るわ」と言ってきました。当然、これでは何が言いたいかわかりません。「で、何が言いたい?」と私が聞くと、聞き取れないようなことをいろいろ言ったあげく、なにやら怒っている様子。要するに、「遅れてきて、その日出席に間に合わなかったけれど、ランダムに出席をとっているお前が悪いのだから、出席扱いにしろ」と少なくとも私には理解されてしまいます(私はそうは言いませんでしたが)。違うのであるならば、どういう意図を持っているのかを説明する義務が彼にあるのですが、彼は説明できずに、「陰気なことされたらムカつくんじゃ」と捨て台詞を残して去って行きました。別に私に「ムカつくんじゃ」と言いに来たわけではなかろうに、本来言うつもりのなかったことを言ってしまうわけです。こういった件をトラブルにする人もいるのではないかと思います。発言的には許されざることですから、問題視されることも十分にあり得ます。彼の立場になってみれば、要するにその日の出席を獲得すれば良いだけのはずなのに(無理筋ですが)、余計なことを言って、トラブルの元になるような発言で上塗りしてしまうことで、本来の目的を自分でも見失ってしまいます。また最後は「逆?ギレ」をしてしまっては、ちょっと工夫すれば得られた成果さえ失ってしまった上に、それでなくても、こういった不誠実な学生を不快に思っている周囲をさらに引かせてしまい、また私とて良い印象を持つはずもありません(別に成績評価に何の影響もさせませんが)。
想像力が鍛えられていないと、先のことだけではなく、その瞬間、何が起こっていて、今自分が何を起こしているのかさえ見えなくなってしまうということです。単に「私はこんなことをしない」だけではなく、自分が、発言を含めた行動を取る前から、しっかりイメージをして、シミュレーションすることも必要です。想像力を日々鍛えておく必要があるのです。今の政治家は想像力を学ばねばなりません。


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