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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

インプットとアウトプット

2017年7月14日

テーマ:確実に心理系大学院に合格する勉強方法

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

先日数名の生徒さんと暗記について話していました。暗記は受験において永遠のテーマであり、できるならば、暗記の道具が欲しいくらいです。あるいは何かを食べて暗記力が上がるなら、少々まずくても食べると思いますし、同じような考えを持っている人は多いと思います。しかし、私が知る限り、暗記力が明確に上がる方法はありません。結局のところ、努力と集中力だと言っている人が大半ですし、むしろそれが誠実な見解だと思います。また「理解はできているけれど、暗記量は少し」という場合と、「理解は少ないけれど、暗記量はたくさん」の場合とどちらがいいかと言われると、迷ってしまいます。私は前者を選びますが、ケースバイケースでしょう。
しかし、もうちょっと考えてみると、ちょっと希望の出ることがあります。例えば、京都コムニタスに初めて来られた方は、次に来られた時に、全く場所がわからなくなっているかと言われると、決してそんなことはありません。たいていの人は、一回で場所も覚えますし、塾長私の顔も覚えてくれます。二回目に会った時は、たいていの人は、私を塾長と認識してくれています。また教室の場所なども一回見たら覚えます。ということは、確たる努力をせずとも一回で覚えてしまうものは意外と多いことがわかります。おそらく、予測のつくもの、塾長や教室というのは、初めて見たといえども、概念として知っていると、知識と記憶をつなげやすいということだと考えられます。

また、「私は他人の顔と名前を覚えるのが苦手」だと言う人はたくさんいますが、それはたいていの場合、顔と名前が一致しないのであって、決して一回見た人を、きれいさっぱり忘れているわけではありません。私は、大学の講義では、出席は口頭でとるようにしています。時間はかかりますが、徐々に生徒の名前と顔が一致していき、その人を覚えていきます。生徒は、「覚えられている」と思うと、通常悪い気はしないと思いますし(私だけ特別嫌いというわけもない限り)、一定の緊張感も生まれます。

おそらく私たちが苦手と感じるのは、覚えることと言うよりは、出すこと、つまり、アウトプットのことを指していると言えます。実は私たちが覚えたと感じるのは、テストなどで書けた時や、誰かと話していて、言葉として言えた時に「できた」と感じた時です。だとすると、優先順位は、アウトプットが先で、今頭の中に入っているものをデータ化して、言葉に変換して出してしまいます。その上で足らずをインプットしていくことになります。

私たちは、これら両方を合わせて記憶と言います。しかし、そうであるならば、私たちは記憶を苦手と感じる必要はないはずです。ところが記憶は実はやっかいなもので、ダイエットと同様、正しい(普遍的)記憶方法がありません。ある程度パターンはあるものの、ほぼ全員が異なった記憶様式を持っています。だから、「書いて覚える」が適合している人もいますが、決して適合しない人もいるのです。

以上から、記憶力を高めるには、まず自分の記憶システムがどうなっているのかをしっかり知るところから始めるのが妥当です。それはすなわち、記憶を倉庫から引っ張り出す訓練と整理して出す訓練を指しているのです。出せた時に初めて自分の記憶メカニズムがわかるのです。



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