「日本の教育はサラリーマンを量産するシステムである」

井上博文

井上博文

テーマ:雑感

日本の教育はサラリーマンを量産するシステムであるという記事を見ました。同種の記事はよくあるので、それほど深い意図を持って読んだわけではなかったのですが、実際読んでみると、気になる点がたくさんありました。
まず、戦後、日本の教育は変わっていないという指摘がありましたが、これはその通りだと思います。今の大学生が高校まで受けてきた教育と私たちが受けてきた教育は、表面上の違いはあれども、質はほとんど変わっていません。社会がそれほど変わってきていないのか、教育だけが変わらないのか、そこは何とも言えないのですが、確かに質は変わっていません。例えば、関西私大の区分に関関同立という言い方があります。関東なら日東駒専(PCも一発変換してくれます)です。これは私たちの時代の価値観のままです。もちろん、大学自体は年々変わろうとしています。正確に言うと、どんどん肥大化しています。図体が大きくなることは必ずしも良いことではないのですが、「それしかない」状態になっています。本当は質を高めることを徹底した方がいいはずなのですが。
その意味で、教育を受ける側は、意外と気にしないのが教育の質です。私たちの学生時代の典型が、「良い大学に入って、良い企業に入るか、公務員になる」という価値観でした。つまり、この価値観自体は、時代が変わって、何が良いのかわからなくなってもなおゴーストのように漠然と生き続けているのです。この現象を学問的に研究してくれる人は誰かいないものかといつも思っているのですが、なかなか出ません。
しかし、膨大な数の不登校者が出て、膨大な数の中途退職者が出ても、尚、残り続けるこのゴースト価値観は、なかなか手強いようで、根本から消し去ることはなかなか難しいようです(だからゴースト)。みんなどこかで、この価値観がおかしいとわかっていても、一歩踏み出すことができず、「無難な選択」として選んでしまうということはよくあることですし、必ずしも否定されるものではありません。
ただ、限界が来ていることも確かです。私は常々、大学院進学者こそが、この現状を変えられると考えています。大学院進学者は「シューカツ呪縛」から離れている人が多く、将来像について、自由な発想を持っている人が少なくありません。もちろん、高学歴ワーキングプアというリスクはありますが、それでも、基本的に「優秀」なはずですから、様々なスキルをもった人間が、学位を持って、どんどん起業していく時代が来れば、様々な価値観が変わってくると信じています。そんな若者を作りつつ、是非、その日まで頑張っていきたいと思っています。



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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

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