学歴病

井上博文

井上博文

テーマ:雑感

「学歴病おじさん社員」に関する記事を読みました。読んでいて何とも切ない気分になります。ただ、最近までこの記事に出てくる人と同種のおじさんと闘っていましたから、確かにこういった「学歴病」の人はいると思います。「○○大学出身でなければ人にあらず」と誇張なく、本気でそう思っており、公共の場でもそれを恥ずかしげもなく言い切るその人は、自分の唯一のアイデンティティである自分の大学の名誉を最も汚す人です。彼の出身大学が最も迷惑なのではないかと思います。

「学歴病」と言われてしまうほど、固執をするのはもちろんよくはないのですが、一方で、学歴が全く大事でないかというと、それはそれで決して違います。2018年問題に備えて、全国800に近い大学は生き残りをかけて、「改革」を進めています。中央公論の最新号では、文部科学大臣が、国立と私立の垣根を越えて統合することについて言及していましたので、そういった現象が起きた場合、過去の学歴病の人たちの拠り所となる大学も統合再編の渦の中に巻き込まれることもあり得る話になるでしょう。大阪府立大と大阪市立大の統合などは、経営的に問題の少ない学校同士の統合ですから、もはや何が起こるかわからないとしか言いようがありません。

私たちは大学院や編入を手掛けていますから、かなりの確率で最終学歴を扱います。当塾に来られる方で、学歴病と思える人は、実はほとんどいません。数年に一人といったところでしょうか。しかし、こういった人は、十分予測はできるのですが、大学院に入ってから苦労します。入ることと、出ることが目標になりますので、中に入って、どんな成果をあげるかという観点が欠落していることが多いのです。中に入ってからの成果という観点を持っている人は、そもそも学歴病でないとも言えます。企業に入っても、大学院に入っても、中に入って何をするか、成し遂げるか以上に大事なことはありません。学歴は活かすものであって、すがりつくものではありません。○○大学、大学院卒業という学歴を、自分が将来どうやって活かすのかをイメージした上で、中でしっかりした成果をあげ、出てから、学歴の名に恥じない活躍をすることができれば、最もよい状態と言えると思います。



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専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

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