議論の重要性

井上博文

井上博文

テーマ:雑感

研究者は基本的に議論を(も)大切にします。
学説は、様々な議論があって、その(瞬間の)結実として
できあがるものです。それが一般認知されるようになると、
そのうちに常識化していきます。常識化したまま、長くそのままでいると
今度は固着化していきます。しかし、諸行無常ですので、世のあらゆるものは
古くなります。学説も同様ですし、今話題の市町村、果ては国家も同様です。
故に永遠不変かつ最高の学説や社会制度などというものは、そもそもありません。
全ては時代とともに書き換えられたり、塗り替えられたりするものであって、
場合によっては、過去が否定されることもあります。

かつてチャーチルは、
「民主主義とは国民が政治に参加する最悪の方法である。しかし、それ以外に
国民が政治に参加する方法を人類はまだ発見していない」
こういったことを言いました。独特のアイロニーでしょうが、政治制度も最高のもの
などありはせず、民主主義が史上、一番マシといったところでしょうか。
何にせよ、仮に最高のものがあるのならば誰でもそれを欲しがります。
しかし、政治については、いまだに様々な体制があって、通常、たいていの国民は
自分の国がまだマシかと思うようです。日本人も多分そうです。

故に、こういった類のものは、議論が必要になります。百人いれば百通りの意見が
あって然るべき事柄は、どこまでも議論があった方が良いのです。
大阪都構想はその典型であって、私は大阪人ではありませんので、中味について
とやかく言えませんが、現在は17日の投票もあってか、賛成派と反対派の二分に
集約されています。しかし、本当のところ、もっと色々言いたい人がいるのでは
ないかと思います。是非、投票後もたくさんの意見が出るといいのになと思っています。
日本人は政治に関心が低いとよく言われますが、今回の大阪都構想については、
多くの人が関心を持っていると思います。
自分の生活に直結するということが、体感できたとき、人は決して無関心では
ないのだなとあらためて思いました。こういった時に生じる議論は、
(外野から見るに)大変魅力的な議論です。同じような問題を抱える
多くの自治体が注視していると思います。

自分たちの運命は自分たちで切り開く。その際、皆がバラバラの方向を向いて
いたのでは、エネルギー効率はあまりにも悪いのでしょうが、活発な議論を
続けていくうちに、徐々に論点も問題点も明確になり、意見が集約された上で
何かが変化することは、とても大切なことです。これは、大阪のような巨大な
自治体であっても、個人であっても同じです。人一人の変革に関して、
議論の時間と労力を惜しまないようになればいいのになと感じた次第です。
私たち教育に携わる者は、関わった生徒一人ひとりの変革に議論を重ね、
それが、可能な限り、その人の人生においてポジティブに機能するように
手を打っていかねばなりません。その際にどれだけ魅力的な議論ができるかが
私たちの腕の見せ所ということになります。



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井上博文
専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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