体罰がいけないことくらい誰でも知っている

井上博文

井上博文

テーマ:思考方法

子どもには叩かなければわからないことがあるのかという記事を見ました。
筆者の答えは「ない」と言いたいように見えなくもないのですが、
何が言いたいのか、さっぱり理解できませんでした。
ちなみに私のこの問いに対する答えは「わからない」です。
この問いの立て方で考えると、「叩かなければわからないこと」を
探し求めているのかと一瞬思いました。
この記事の難所は、場面設定が曖昧すぎることです。
「育児」「しつけ」「教育」が混在しているようです。
これまでにもこの記事をはじめとしていくつかの
体罰関連のことを書きましたが、体罰はしない方が良いし、
体罰をすれば、何かの数字が伸びるという科学的根拠もありませんし、
体罰が子どもに良い影響を与えるとは考えられません。
これは確定事項ですし、私たちが言わなくとも、体罰をしたい人の方が
圧倒的に少ないと思います。私も最近よく育児について
様々な年齢層の方から相談を受けますが、どの方も体罰をしていません。
でも、育児で悩んでいるのです。体罰をすべきでないことくらい誰でも知っているのです。
育児場面で、子どもが親からすると、とんでもないことをしでかすわけですが、
それを口で言って聞かせて、果たして効果があるのかどうか、その確証が得られず、
体罰をしていなくとも効果も成果も上がっていないからこそ悩むのです。

同じことを繰り返しますが、
体罰などしていないけれど、効果も成果も上がっていないから悩むのです。
これが今時の親の悩みです。
それをこの筆者は

    言葉を失い、叩くという方法しか思いつかないのは、
    その人の叱る能力の限界を示しているにすぎません。
    人間の器としてもっとキャパがあれば、叩く以外の方法を
    選択することだってできたはずなのです。

と断じるのですが、私が相談を受けている人をイメージするならば、
これはとんでもない発言です。20年以上も我慢に我慢を重ねてきた
親の方もたくさんいます。それでも子どもをたたくことなく、育てたつもりだが、
結局大量の借金をした、ぐれた、親だけではなく親戚中に迷惑をかけた、
と打ちひしがれている人たちもいるのです。20年以上我慢をした人に対して
あなたはキャパがないとは、私には言えません。

体罰をしない、叩かないなどと、スローガンを言うことは誰でもできます。
そして、叩かない育児や教育があるとしても、それは個別対応です。
集団には適応しませんし、ましてや普遍的に、つまり、ありとあらゆる層の子どもを
対象とした叩かない、体罰をしない教育や育児などないのではないかと
私は個人的に考えています。私が育った地域はあまり、教育環境のよくない地域でした。
だから、高校までに転校する親もたくさんいました。以前にも言いましたが、
体罰がないのではなく、先生が怖くて体罰ができない地域もあるのです。
そういった学校の先生の悩みは深いでしょうし、今時は大学でも
学生に私語を禁止しないといけない時代です。大学ではさすがに体罰は
ないでしょうから、それまでに受けてきた教育が結実しているのです。
今の大学生を見て、果たして、教育の成功が言えるのでしょうか?
筆者のような方は、是非、普遍的に効力のある体罰しない、叩かない育児や教育の
方法を知っているのでしょうから、その実証データを公表してみるべきでしょう。
それだけでも多くの学校の先生、育児で悩んでいる親が救われることでしょう。
海外のデータなどあまり参考にはなりません。私はこういった記事
を見ると、吐き気まで感じますが、これが実証データだと言える人はあまりいないでしょう。

そろそろ、真面目に考える時期が来ているのだと思います。


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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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