臨床心理士指定大学院の難易度(私学編)
踏み込んだ表題で、誤解を招きかねないので
気を付けて発言しないといけないのですが、
よく質問を受けるので、あえて切り込んでみます。
先に正直なところを言えば、明確な難易度はありません。
しかし、だからといって、どこも全く同じ
というわけでもありません。
私たちは受験と言えば偏差値が常に絡んでくるのですが、
これはもはや信仰とも言えるもので、少なくとも
大学院受験や編入受験は、この偏差値信仰から
脱却する必要があります。
例えば関西圏でどこの大学が一番難しいか?
と聞かれれば、やはり京都大学になると思います。
しかし、それは偏差値的判断ではなく、京大より
難しいと言える大学が見当たらないという判断で
しかありません。数字的確証はありません。
もちろん大阪大学も最難関であることに、誰も異論は
ありません。しかし、京大と阪大でどちらが難しいか
と問われると、答えに窮します。
というのは、まず試験形態が全く異なります。
阪大は年二回試験があり、社会人入試もあります。
京大は年一回、二月のみの試験で、内部生と外部生を
分けます。これだけ取ってみても、そもそも偏差値は
介在する余地はありませんし、両者を対等な形で比較
することもできません。どちらもそれぞれ最難関と言えます。
私が相談に来られた方々によく言うのは、研究者を
希望するか否かによって、京大、阪大、神大の関西
最難関国立を受けるかどうかを決めれば良いということです。
研究者を志望し、博士課程に進み、博士号取得までを考えるなら、
やはり上記三大学を受験しないということは考えにくいと思います。
もちろん、他大学では研究者になれないという意味ではなく、
これらの三大学は研究者養成に主眼を置いているということです。
研究者になることを考えていなければ、博士課程を設置しない
京都教育大学は同じ国立の難関校としてはおすすめになります。
兵庫教育大学なども同様です。
その他臨床心理士指定大学院の難易度を見るには、
定員、立地条件、試験科目なども影響してきます。
兵庫教育大は試験が3回になりました。通常は試験回数が
増えると少し難易度は下がるのですが、兵庫教育大については
むしろ一回の合格者数が減った分、難易度が上がったように
見受けられます。また面接点が300点と非常に高い配点です。
京都教育大は、昨年から英語で辞書が持ち込み可になりましたが
特に難易度に変動があったようには思いません。合格者数も
例年と変わりませんし、受験者数も近年は安定しています。
以上から、臨床心理士指定大学院受験を決めた場合、
まず受験する学校をある程度決めるのですが、その際に
国立を受けるかどうかを決めます。そして、その際
将来研究者志望であるかどうかを考えます。それに
よって同じ国立でも受験校が変わってくるということです。
次回は私学について触れてみます。
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