暴力に教養で応える
私は常に塾生に対して具体性を重視するように伝えています。
抽象的な理念は意味がないばかりではなく、
時として大いなる不利益を人にもたらすことがあり得ますし、
場合によっては他者を差別したり、傷つけたりすることも
あるのです。
今月の中央公論の記事の一幕です。今の日本外交の
混乱をもたらした元凶と言える人物の寄稿です。
北方領土に関して、
「政治とはまさに日ロ双方の国民にとって認められる
解決策をみいだすことである」
まず主語がありません。日ロ双方でしょうか?だとすれば
寝言です。もうこの時点で無理と言っているようなものです。
さらに
「解決策を見出すことは不可能とは思わない。
なぜならば、プーチン大統領も解決を望んでいたし、
メドヴェージェフ大統領は冷静な環境で極端に走らず、
創造的な発想で解決しようと私に呼びかけているから」
と言います。
こういった抽象的な言葉を鵜呑みにして公式の論文に
それを根拠として出すことには閉口します。そりゃ
このくらいのこと誰だっていいますわね。
またさらに
「日本とロシアが政治、経済、社会、科学、文化など
多方面で協力関係を強化し、信頼を醸成し、互いに
ウインウインの関係になること、とくにロシアに日本の
存在がロシアの将来にとって死活的に必要であることを
認識させることが、迂遠のようで、北方領土問題の解決
に最も有用であると信じている」
信じるのは自由ですがね・・・・まず
「信頼を醸成し、互いにウインウインの関係になること」
一体どうやって?この書き方ですと、少なくとも日本は
信頼されていないようです。またウインウインとは何を
イメージしてるのでしょう?大量に石油をもっている国と
どうやってウインウインになるのでしょう。
最後に、日本の存在がロシアに死活的に必要と認識させる・・・
もう彼は北方領土をあきらめたというメッセージなのでしょうか?
よほどのことがない限り、ロシアは日本をそのようには
見てくれないでしょう。
こんな寝言よりも地道な具体策一つの方がよほど意味があるのです。
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