勉強して何の役にたつのですか?

井上博文

井上博文

テーマ:思考方法

「勉強して何の役にたつのですか?」
教育産業に身を置いたことのある方なら一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか?
かく言う私も高校時代は言いました。今思えば恥ずかしい話ですが、高校でやっていること
がどうしても意味あることとは思えなかったのです。
しかし、ある程度年齢を重ね、自分なりに学びを進めると、己の未熟さを思い知らされます。

ここのところ、何回か教養関連のコラムを書いてきました。
「考えるべき時」「教養獲得の決意」
確かに「何の役にたつのか」という問いに対する明確な回答は存在しません。
でも、それは勉強に限ったことではありません。私は陸上競技をしてきましたが、
今、当然ながら、当時の体力もスピードもありません。しかし、だからといって
今何の役にもたっていないかと言えば、そうは思っていません。
ある程度、身体の自己管理はできますし(誰も信じませんが)、体力の維持の
方法もわかります。また、今もスポーツに対する関心は高く、記録など知識を
いつも入れています。(勝手に入ってきます)
だから、今となっては、陸上をしていてよかったと思えることはたくさんあります。
その意味では大いに役にたっています。

スポーツにせよ、勉強にせよ、共通するのは、自分を磨くことと、成長させることと
変革することです。とりわけ、個人競技は他人のせいで成長できないということは
まずありえません。その時は成長を感じられなくても、あとになってから
成長を感じられることも教養の利点の一つだと考えられます

しかし、この教養に対する価値を教える人が、あまりにも少なくなってしまった
のではないかと思っています。即効性のあるものがわかりやすく、あとから
効いてくるものはわかりにくいこともあって、やはりすぐに結果の出るもの
ばかりに目が行きがちなのは理解できます。STAP細胞問題の背景にも
そういった考え方が横たわっていることは間違いないと思います。
ただ、指導者は、それでも長期的な目線で成長させてくれる教養の獲得に
目を向けることを意識しておく必要があると思います。
私が毎日のように生徒に言うのは、「大事なのは入学してから」です。
京都コムニタスに来てから、合計で3年プランで勉強して大学院を修了するというのが
最短コースですから、先を見据えた考え方の構築が必要になります。

大学院を出て、ある程度年月を重ねると、次は
「あの時もっと勉強しておけばよかった」
「学部の時にあの授業受けておけばよかった」

今になってそう思わない日は少なくなってきました。だからと言って、
もう一回人生をやり直すのはごめんです。二回同じことを繰り返すのは
ちょっと無理な生き方をしてきたように思います。
多分私が高校生の時とほとんど変わらない能力しかなかったとすれば、後悔さえ
しないのだと思います。この後悔は、むしろ私を前に向かせてくれ、新しい能力を
獲得させてくれたようにも思えます。そして人生二回できないという当たり前の現実を
受け入れさせてくれました。

「勉強して何の役にたつのですか?」
私たち指導者はこのある意味挑戦的な問いに対してある程度の回答は
持っておくべきだと考えています。
「それくらい自分で考えろ」
「何の役にも立たない」
などといった回答は、指導者としては間違っているのだと思います。
私は
「後から成長を感じさせてくれる思考と、前向きになれる後悔を与えてくれる教養の獲得に役立つ」

と一応の回答を持っています。


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井上博文
専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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