顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅲ
[まさにマーケティングの基本]
映画の世界で、一つのジャンルとして昔から存在していた「入れ替わりもの」というテーマ。
近年ヒットした「君の名は」や、大林宣彦監督の「転校生」、アメリカ映画の「ビッグ」などがあげられます。
このテーマの映画の面白さは、
「人は、立場を変えれば、それまで気付きもしなかった実に面白い世界が見えてくる。」
からにほかなりません。
この「立場を変えて物事を考える」というのは、振り返ってみればまさに「マーケティングの基本」と言っていいのではないでしょうか。
「ビッグ」という映画に、それ(マーケティング的視点)を地で行くような場面があります。
「ビッグ」は、ある朝突然、一人の少年が、子供の心と頭を持ったまま、身体だけが大人になるというストーリーです。
この大人少年は、ちょっといろいろな紆余曲折を経たあと、おもちゃ会社の重役になります。
そのおもちゃ会社の販売戦略会議に出席した彼は、新商品のおもちゃに対して
「こんなの面白くない。」
とケチをつけるのです。
「子供はこんなの歓ばないよ。」
と。
その販売戦略会議は、まさにマーケティング分析による販売計画の策定会議です。
「○○地区におけるリサーチによれば、この商品に対する評価は××といった傾向があり・・・」
などとやっていると、つまらなそうに聞いていた大人少年が
「こんなの面白くない。」
と言い出すのです。
それは、そのおもちゃで遊ぶ当事者である子供の意見であり、面白くないものを面白くないというところが理にかなっています。
もっとも言われた大人たちは大いに戸惑い、マーケティング会議は紛糾するのですが・・・・
そもそも、この「入れ替わりもの」というジャンルの映画は、人間に
「どんな立場の人のことも、瞬時に想像することができて、受け入れることができる。」
という能力がもともと備わっていれば成立しないことになります。
入れ替わったところで大して面白くもないからです。
つづく
今日の川柳コーナー
◆また聞くか 俺のストレス パスワード
◆パスワード すべて手帳に 書いてある
デジタルとアナログの融合。
なんちゃって・・・・