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コラム
企業は規模が小さければ小さいほど労働生産性が低い―新型コロナ禍で露呈した「日本経済の脆弱性」について考える―Ⅴ
2020年7月28日
小さな会社の戦略も研究したのですが・・・
[中小企業は「労働参加率」を高める役割を果たしていた]
人間により多く依存する「労働集約型」で、あるために、人をムダにたくさん使ってくれるのが中小企業、と言い切るアトキンソン氏。
とはいうものの、雇用ということでいえば、おそらく、指摘を受けた中小企業側は「人をムダにたくさん使っている」とは思っていないでしょう。
「必要だったから必要な人数分雇っているんだ。」としか考えていないのではないでしょうか。
しかしここで思い出すのは、かつて日本にはその隅々まで土木建築業者が50万社以上あったという事実です。
孫請けひ孫請けの零細な土木業者は、地方の雇用の受け皿でした。
それは公共工事という水道の蛇口があったからです。
ところが、その公共工事という蛇口を絞められた途端、そういった事業形態は成り立たなくなったのです。
アトキンソン氏の指摘される生産性の低さは、こういった産業構造からきていたとも言えます。
さて、人口増から人口減に転じた日本社会。
その環境変化の中で日本の経済社会はどう動けばいいのでしょうか。
アトキンソン氏の指摘は続きます。
―人口が増加していた時代においては、中小企業は「労働参加率」を高める役割を果たしていました。
その意味で、「国の宝」と言えないこともありませんでした。
しかし、日本はすでに人口減少の時代に突入し、この傾向は今後数十年にわたって続きます。
人をムダに多く雇う中小企業の存在は、強みではなくなり、逆に弱みに変わります。
なぜならば、企業というものは規模が小さければ小さいほど、労働生産性が低いからです。
日本企業の99.7%は中小企業ですから、日本の生産性が低いという事実は、日本の中小企業の労働生産性が低いことをそのまま反映しているのです。―
人口増加時代、中小企業は例えその生産性が低くても、雇用を創出してくれるおかげで、国全体の生産性の向上に寄与していました。
しかし、人口減に転じた途端、その生産性の低さは、国の経済力としては、そのままマイナスにつながっていく、というわけです。
つづく
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