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コラム
伝統の破壊と再生―日本酒の挑戦―Ⅱ
2018年2月10日
私がまず、興味をひかれたのは後継者としての意識についてです。
どのような経緯で事業を受け継いで行ったのか、そこで何を考え、何を実行したのかといったような点について、知りたいと思いました。
その点について桜井氏は、父親との確執を含めて以下のように答えておられます。
― 社長の桜井氏は、松山商科大学(現・松山大学)を卒業した後、大手の西宮酒造(現・日本盛)に入社した。
修業のつもりで、家業は隠して働き、普通、酒蔵の息子が入社すると製造に配属されるはずが、営業に配属されたのである。
この営業3年半の「修業」の成果は、とても勉強になったのだが、その分、実家に帰ってからは、父親とぶつかるようになった。
つまり、大手のやり方を知り、父親の仕事ぶりに対して、改革すべき点が目につくようになったのである。
結局、親子関係は最後まで修復できず、父親が1984年に急逝し、桜井氏は旭酒造に復帰した。―
これは実によくある話です。
地方で営まれてきた事業の場合、それが老舗であればあるほど、旧来の形に拘ってなかなか改革が進まないことが多いのです。
首都圏など大都市が近くにあれば、或いは一定規模以上の企業であれば、ライバルとの激しい競争と絶えず入ってくる新しい刺激的な情報の波に揉まれざるを得ません。
こういった一度地方から出て、都会の情報や刺激の洗礼を受けた後継者には、地方の事情や自社の状況が何とも歯痒く映るのはよくあることなのです。
つづく
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