笑いのツボっていろいろだよね―ジェネレーションによって違う「何が可笑しいのか・・・」―Ⅲ(終り)
古市氏はこの著書の中で「おじさん」という言葉を度々使っています。
彼の言う「おじさん」とは、どういった人を指すのでしょうか。
彼は次のように表現しています。
― 「おじさん」とは、いくつかの幸運が重なり、既得権益に仲間入りすることができ、その恩恵を疑うことなく毎日を過ごしている人のことである。
かつては男性でありさえすれば、多くの人が「おじさん」になることができた。(中略)
人は今いる場所を疑わなくなった瞬間に誰もが「おじさん」になる。
たまたまラッキーで「おじさん」になれただけかも知れないのに、それを自分の手柄のように思い込む。
そして、「おじさん」界の外にいる「若者」や「女性」に対して冷たくなっていく。
自分の幸運を棚に上げて、不遇な状況にある人を自己責任だと切り捨てる。
そういった人を、ぼくは性別や年齢に関係なく「おじさん」と呼ぶ。―
いやはやメッタ切りです。
しかし、彼のいう「おじさん」という言葉に、現在の日本の閉塞状況が凝縮されているように思えます。
ここでキーワードとなるのは「既得権益」という言葉です。
「おじさん」というのは「既得権益」そのものを指しているのかも知れない、とさえ思えてくるのです。
私自身も、この本を読む以前から「自分は既得権益にしがみついていないだろうか。」という点は、常に自分に問うてきたところでもあります。
資格業というのはその危険性があるからです。
つづく