若者の起業を邪魔するな!―とりあえず応援してあげなよ!大切なのは先輩経営者の度量―Ⅱ
(続き)多くの場合次のようになってしまうのです。
― (国の政策的にも重要なのは、ベンチャー企業家の輩出であるにもかかわらず)のっけから、意地悪な質問をして志を潰してしまうのは身もふたもない。
つまり、多くの支援者は自分と同じ目線を起業志望者に押し付け、ハードルを上げてしまっているのだ。―
上の文章を読んで思うのは、私も出雲氏と同じような視点で、2代目経営者或いは事業後継者を見ているんだな、ということです。
このことは、このブログなどを通してずっと書いてきています。
私はこれまで先輩経営者が、ふところの大きさを見せて、鷹揚に後輩を支持してくれている姿などあまり見たことがありません。
大抵の場合、きつい一撃を加えるのが当り前とでも思っている様子でした。
としたら、なおさら先輩のいうことなど聞く必要はないだろうと思います。
出雲氏は、起業志望者に対して、具体的には次のようにアドバイスしています。
― 起業志望者に伝えたいのは「先輩のアドバイスを真に受けるな。」だ。
既に成功している先輩の話はすべて過去のもの。
環境が日々、変化を続けている現在には全く通用しないと思っていい。―
私も全くこの通りだと思います。
したり顔でアドバイスする先輩ほど、固有の成功体験による狭い見解しか持っていないケースが多いのです。
先輩経営者には「間違っていないんだから君の思っている通りにやってみろ。」という度量が必要なのです。
あとは行動を起こしてから試行錯誤してもらうしかありません。
出雲氏は最後に、若者へのアドバイスを次のようにまとめておられました。
― 「前提が違う人のアドバイスは意味がないですよ。あなたが自分でこれから見つけるものの方が、はるかに素晴らしいはずです。」
と答えている。
温かい目で起業家を見守ることこそ、今の日本には必要だ。―
私も税理士として地元の中小企業を長い間見てきましたが、後継者である若い経営者が、それまでの先代経営者の路線を変更し、時代に合った新しい機軸を打ち出そうとしても、大抵の場合出鼻をくじかれることが多かったように思います。
私はこういった体質が、中小企業、特に地方における中小企業の業績が一向に好転しない大きな要因ではないかと思ってきました。
しかしながら、同じことが、国のレベルでも若い起業志望者に対して行なわれている、ということなのです。
先輩経営者たちの、ここのマインドを根本的にチェンジしない限り、日本経済の本当の浮揚は覚束ないのかも知れないと危惧する所以です。
若い経営者たちを前に福岡で開催したセミナー。女性の姿もチラホラ。
おしまい