顧客ニーズとウォンツについて―顕在化した需要と潜在的需要について考える―Ⅱ
現代はマーケティングの時代と呼ばれています。
作り手の都合が優先されていた時代から、消費者が主導権を取る時代へと確実に変化しています。
大企業はいち早くこのことに気付き様々な打ち手を講じてきましたが、小回りの利くはずの中小零細企業の方に意識改革の遅れが目立ち、消費者の支持を受けることができずに四苦八苦しています。
マーケティングとは
それでは早速マーケティングについて考察してみたいと思います。
マーケティングとは、商品や製品、サービス等を市場ニーズ(=消費者の意思)にいかに適合させていくかを研究し実践していく方法論です。市場ニーズがどこにあるのかが最も重要なポイントになるわけです。
そんなことは商売をやっていれば当たり前のことだ!と思われるかも知れませんが、戦後長く「作れば売れる、売れれば儲かる」という右肩上がりの経済成長を体験してきた日本の商工業者にとってそう簡単なことではありません。消費者の立場に立った意識を持つためには、マーケティング的な思考方法やアプローチが不可欠であり、また最も効率的でもあります。しかしマーケティングについては日本、中でも地方における中小商工業者はまだまだ遅れていると言わざるを得ず、これからの大きな課題といえましょう。
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税理士業界では・・・
例えば私達の業界(税理士、会計人の世界)について冷静に考えてみましょう。放っておいても自然に増え、黙っていても利益を出していたクライアント(顧問先)が、その数を急激に減らし、その多くが赤字に悲鳴を上げています。私達の仕事も、記帳代行、決算、税務申告代理及び節税対策といったシンプルかつ定型的な業務から、クライアントの経営そのものをサポートして行かざるを得ない複雑かつ非定型的な業務に変わりつつあります。
クライアントのニーズが大きく変化してきているにもかかわらず、相変わらず旧来のサービスを提供し続けているのが私達ではないでしょうか。この点は日本の他の商工業者と全く同じであります。もちろん、法律をベースに仕事をしている以上その枠組みの中で処理し指導していくことは、外すことのできない基本的な領域ですが、顧客が期待している様々な分野にサービスの枠を広げていくことも今後必至といえましょう。
時代に合った顧客ニーズを掴み取り、そこに焦点を当てて自らの事業を変化させて行くにはマーケティング的思考やアプローチは必須です。