【風俗トラブル】店側の弁護士から届いた通知書のFAQ15選|相談で多い疑問への回答集

若井亮

若井亮

テーマ:風俗トラブル

風俗店の利用からしばらく経って、店やキャストの代理人を名乗る弁護士から通知書が届くことがあります。その場で店のスタッフに詰め寄られる場面とは違い、書面は法律の言葉で書かれ、金額や回答期限が示されているため、どう受け止めればよいか分からなくなる方が少なくありません。

 この記事では、店側の弁護士から通知書が届いた方からのご相談で多い疑問を15問に整理し、それぞれに回答します。個別の事情によって取るべき対応は変わりますので、あくまで考え方の目安としてお読みください。

本記事は、2023年の刑法改正(不同意性交等罪の新設)など、執筆時点の法令を前提にしています。実際の対応は、届いた書面の内容と事実関係によって異なります。


通知書の中身と送り主に関する質問


届いた通知書が本当に弁護士からのものか、確かめる方法はありますか

 書面に記載された弁護士の氏名と事務所名を、日本弁護士連合会のウェブサイトにある弁護士情報検索で照合する方法があります。登録の有無と所属事務所の所在地を確認できます。

 問い合わせる場合は、書面に書かれた電話番号ではなく、検索で確認した事務所の番号にかけるほうが安全です。弁護士事務所を名乗るSMSで「受任通知を送付しました」とだけ伝え、折り返しの電話を求める手口も報告されているため、書面の現物がない連絡には特に注意が必要です。

「受任通知」と「通知書」「請求書」はどう違うのですか

 受任通知は、弁護士が依頼を受けたことと、今後の連絡窓口が弁護士になることを知らせる書面です。これに対し、通知書や請求書という表題の書面には、相手方の主張する事実、請求する金額、回答期限などが書かれていることが一般的です。

 実際には、受任の通知と請求を一通にまとめた書面も多く見られます。表題よりも、誰が誰に何を求めているかという中身を読むことが大切です。

内容証明郵便で届きました。普通の郵便より重い意味があるのですか

 内容証明郵便は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰に宛てて出したかを日本郵便が証明する仕組みです。送った事実と文面を後から示せるようにするためのもので、届いたこと自体で支払いの義務が生じるわけではありません。

 ただし、相手方が請求の意思を明確にしたという記録にはなります。普通郵便やレターパックで届いた場合と同じく、内容を確認したうえで対応を考える必要があります。

通知書の弁護士は、店の代理人なのか、キャストの代理人なのか分かりません

 書面の冒頭や末尾にある「通知人」「依頼者」の欄を見ると、誰の代理人かが書かれているのが通常です。店の運営会社、キャスト本人、またはその両方という場合があります。

 誰の代理人かによって、示談の当事者や、示談書で解決できる範囲が変わります。店と示談してもキャスト本人の請求が残るのではないかという疑問は、この点に関わります。なお、弁護士ではない店の関係者がキャストに代わって示談交渉や示談金の受け取りをしたとして、弁護士法違反の疑いで逮捕された報道もあり、店側が弁護士を立てる背景の一つになっていると考えられます。

返事の仕方と期限に関する質問


通知書を無視したらどうなりますか

 無視したからといって直ちに何かが決まるわけではありませんが、相手方は回答がないことを前提に次の手段を検討することになります。民事の訴訟を起こす、被害届や告訴を検討するといった方針が書面に示されている場合、放置することで話し合いで解決する機会を失うおそれがあります。

 また、裁判所から特別送達で訴状が届いた場合に放置すると、相手方の主張どおりの判決が出るおそれがあります。弁護士からの通知書の段階で、方針を決めておくことが望ましいといえます。

回答期限が書いてあります。期限までに払わなければならないのですか

 通知書に書かれた回答期限は、多くの場合、相手方が一方的に設定したものです。期限を過ぎたことだけで支払いの義務が確定するわけではありません。

 とはいえ、期限を黙って過ぎると、相手方は回答する意思がないと受け止める可能性があります。すぐに結論が出せない場合でも、検討していることや、弁護士から連絡することを期限内に伝えておくと、話し合いの余地を残しやすくなります。

自分で相手の弁護士に連絡してもよいのですか

 ご自身で連絡すること自体は可能です。ただし、相手方の弁護士は依頼者の利益のために交渉する立場にあり、こちらの発言は記録され、後の交渉や手続で使われることがあります。

 特に電話では、事実関係について確認されるまま答えてしまったり、謝罪の言葉が事実を認めたものとして扱われたりするおそれがあります。ご自身で対応する場合も、まずは書面でやり取りし、事実関係について断定的な説明をしないほうが安全です。

店やキャストに直接連絡して話をつけてもよいですか

 相手方に弁護士がついた後は、連絡はその弁護士を通じて行うのが通常です。キャスト本人に直接連絡すると、事情を説明するつもりであっても、圧力をかけられたと受け止められ、請求や刑事手続の面で不利に働くおそれがあります。

 店のスタッフに連絡して金額を下げてもらおうとする対応も、代理人を通じた交渉と食い違いが生じる原因になります。窓口は一本にしておくことをおすすめします。

請求の中身と刑事手続に関する質問


請求額が妥当かどうか、どう判断すればよいですか

 まず、請求額の内訳を確認します。慰謝料、治療費や検査費、休業による損害、店の営業上の損害、店の規約に基づく「罰金」など、性質の違うものがまとめて書かれていることがあります。

 治療費などは領収書や診断書による裏付けがあるかどうかが、店の営業上の損害は行為との結びつきがあるかどうかが問題になります。店の規約にある罰金の定めは、その効力自体が争われることもあります。内訳ごとに根拠を確認していくと、減額の余地が見えてくる場合があります。

「被害届」「告訴」と書かれています。示談すれば刑事事件にはならないのですか

 示談の中で、被害届を出さないことや、すでに出した被害届を取り下げることを合意するのが一般的です。捜査機関も、当事者間で示談が成立していることを処分の判断で考慮します。

 ただし、不同意性交等罪などは告訴がなくても起訴できる罪であり、示談が成立すれば刑事事件にならないと保証できるわけではありません。示談書に盛り込む条項と、すでに警察が動いているかどうかを確認したうえで進めることが大切です。

書かれている事実が実際と違う場合や、身に覚えがない場合はどうすればよいですか

 同意があったと記憶しているのに、キャストは同意がなかったと話しているといったように、通知書の事実関係とご自身の認識が食い違うご相談は珍しくありません。この場合、請求に応じるかどうかの前に、どの点が事実と違うのかを整理することが出発点になります。

 慌てて謝罪の連絡をしたり、相手方の主張を前提にした金額交渉に入ったりすると、事実を認めたと受け止められるおそれがあります。事実関係の根拠を示すよう求める回答をする、といった対応が考えられます。

その場で念書や示談書に署名しています。弁護士の通知書とはどう関係しますか

 その場で書いた念書や示談書がある場合、通知書がその書面に基づく支払いを求めているのか、それとは別の追加の請求なのかを確認します。キャスト本人の請求なのか、店の請求なのかによっても、すでにある書面で解決済みといえる範囲が変わります。

 また、その場の書面は、威圧的な状況で署名させられた場合など、内容や作成の経緯によって効力が問題になることがあります。盗撮をした利用者がその場で示談書を交わした後に、店への迷惑料の支払い義務が否定された裁判例(東京地裁平成29年2月28日判決)も法律事務所のサイトで紹介されています。手元に控えがあれば、通知書とあわせて確認することをおすすめします。

家族や職場、弁護士への依頼に関する質問


家族や職場に知られずに対応することはできますか

 通知書が自宅に届いた場合、今後の書面の送付先や連絡方法をどうするかを相手方と調整することになります。こちらも弁護士に依頼すれば、以後の書面や連絡は弁護士の事務所宛てとすることを求めるのが一般的です。

 相手方が家族や勤務先への連絡を示唆している場合は、そうした連絡を控えるよう求めることも交渉の内容に含めます。ただし、相手方の行動をすべて止められると言い切れるものではないため、早めに窓口を整えておくことが大切です。

本名や住所を明かさずに示談することはできますか

 通知書が自宅に届いている場合、相手方はすでに氏名と住所を把握していると考えられます。そのうえで、示談書の当事者表示や、示談後に個人情報をどう扱うかを取り決めておくことが重要になります。

 身分証の写しや名刺を店に渡している場合は、その削除や返還、第三者に開示しないことを示談の条件に加える方法があります。

弁護士に依頼すると、どこまで任せられますか。費用はどのくらいですか

 相手方の弁護士との連絡窓口、通知書への回答書の作成、請求額の交渉、示談書の条項の確認や作成、刑事手続への備えまでを一貫して任せることができます。ご本人が相手方と直接やり取りする場面を減らせる点も、依頼するかどうかを考えるうえでの判断材料になります。

 費用は事務所ごとに定められており、事案の内容や請求額によって変わります。相談の段階で、着手金や報酬金がどう計算されるか、見積もりを確認しておくと安心です。

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通知書が届いた段階で方針を決めておく

 店側の弁護士からの通知書は、相手方が話し合いの窓口を整え、請求の意思を明確にしたことを示すものです。書面に書かれた事実と金額をそのまま受け入れる必要はありませんが、放置したり、感情的に反論したりすると、選べる手段が狭まるおそれがあります。誰の代理人か、何を求めているか、事実と違う点はどこかを整理したうえで、回答の方針を決めることが大切です。

同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。

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若井亮
専門家

若井亮(弁護士)

弁護士法人若井綜合法律事務所

風俗トラブルや男女トラブル、それに伴う刑事事件まで一貫して対応。累計相談件数は男女トラブル約23,000件、風俗トラブル約8,000件。全国からの相談を24時間受け付け、迅速な対応を心がけています。

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