風俗トラブルを弁護士に依頼した場合の費用相場と流れ

若井亮

若井亮

テーマ:風俗トラブル

「本番を強要したと言われ、高額な違約金を請求されている」「盗撮を疑われ、その場で示談書にサインを求められた」——性風俗の利用にまつわるトラブルは、人に相談しづらく、ひとりで抱え込みがちです。弁護士への依頼を考えても、「費用がいくらかかるのか」「どんな流れで進むのか」が分からず、二の足を踏む方は少なくありません。

この記事では、風俗トラブルを弁護士に依頼した場合の費用の内訳と相場の考え方、そして相談から解決までの流れを、客側の立場から整理します。金額は事務所や事案によって幅がありますので、一般的な目安としてお読みください。

まず押さえたい:「弁護士に払うお金」と「相手に払うお金」は別物

 費用を考えるうえで最初に整理しておきたいのが、支払いには性質の異なる二つがあるという点です。

 一つは、弁護士費用。相談料・着手金・報酬金・日当・実費など、代理人として動いてもらうために弁護士へ支払うお金です。

 もう一つは、示談金や慰謝料。相手方(風俗店・従業員)に支払う可能性のあるお金で、これは弁護士費用とはまったく別枠です。

 この二つを混同すると、「思っていたより総額がかさむ」「逆に、示談金がそのまま弁護士費用だと誤解する」といったズレが生じます。見積もりを受け取るときは、どこまでが弁護士費用で、示談金は別途なのかを必ず切り分けて確認しておくと安心です。

弁護士費用の内訳と相場の目安

 弁護士費用は、多くの場合いくつかの項目に分かれています。項目ごとに、一般的な相場観を見ていきます。

相談料

 弁護士に事情を話し、見通しを聞く段階で発生する費用です。30分あたり5,000円程度を目安とする事務所が一般的ですが、近年は初回相談を無料とする事務所も増えています。トラブルの緊急度が高いケースでは、まず相談だけでも早めに受けておくと、その後の選択肢を整理しやすくなります。

着手金

 正式に依頼(受任)する際、結果にかかわらず最初に支払う費用です。事件の内容や進み具合によって変わり、示談交渉であれば20万〜50万円程度を一つの目安とする事務所が多く見られます。すでに刑事事件化していて、警察対応や身柄拘束への対応まで必要になると、これより高くなる傾向があります。

 着手金の金額に決まった基準はありません。かつては弁護士会の報酬基準がありましたが、2004年に撤廃され、現在は各事務所が自由に設定しています。そのため同じ「示談交渉」でも金額に差が出ます。

報酬金(成功報酬)

 事件が終了した際、成果の程度に応じて支払う費用です。風俗トラブルでは、不当な請求の減額・支払い拒否・示談成立・不起訴といった結果に応じて発生します。金額は着手金と同程度か、獲得できた(あるいは支払わずに済んだ)経済的利益を基準に算定する形が一般的です。

日当・実費

 弁護士が交渉や接見のために出張する場合の日当(1回あたり数万円程度が目安)、通信費・郵送費・交通費などの実費が加わります。これらは着手金・報酬金とは別に必要になります。

総額の考え方

 ここまでを合わせた総額は、**「交渉だけで済むのか」「刑事事件化しているのか」「身柄が拘束されているのか」**で大きく変わります。示談交渉が中心のケースなら数十万円台に収まることもあれば、刑事弁護まで含むと総額が100万円を超える例もあります。あくまで幅のある話ですので、依頼前に見積もりを取り、自分のケースがどのあたりに位置するのかを確認することが大切です。

示談金・慰謝料の相場は「費用」とは別に考える

 前述のとおり、相手方へ支払う示談金・慰謝料は弁護士費用とは別枠です。競合各社が示している相場観をならすと、トラブルの類型ごとにおおむね次のような幅があるとされています。

トラブルの類型示談金の相場(目安)
本番行為をめぐるもの数十万円〜300万円程度
盗撮をめぐるもの数十万円〜150万円程度
サービス外の行為をめぐるもの数十万円~150万円程度


金額の幅が大きいのは、行為の悪質性や相手の処罰感情の強さによって差が出るためです。多くのケースでは100万円未満に収まるとされる一方、悪質性が高いと判断される事案では高額になることもあります。

 ここで注意したいのは、請求された金額がそのまま「支払うべき金額」とは限らないという点です。店側が一方的に提示した罰金・違約金には、法的な根拠が乏しいものも含まれます。
金額の幅が大きいのは、行為の悪質性や相手の処罰感情の強さによって差が出るためです。多くのケースでは100万円未満に収まるとされる一方、悪質性が高いと判断される事案では高額になることもあります。

相談から解決までの流れ

 弁護士に依頼した場合、警察が介入していない風俗トラブルは、おおむね次のような流れで進みます。

1. 相談・見通しの整理

 まず、何が起きたのかを弁護士に伝え、事実関係を整理します。「本番を強要した」と言われている場合なら、実際に何があったのか、相手が同意していたのか、すでにお金を払っているのか——といった点を丁寧に聞き取り、犯罪に当たり得るのか、どう対応すべきかの見通しを立てます。

 この段階で大切なのは、恥ずかしさや不利になる不安から事実を隠さないことです。弁護士には守秘義務があり、相談で知った内容が外部に漏れることはありません。前提となる事実が正確でないと、かえって交渉で不利になることがあります。

2. 契約(受任)

 方針と費用に納得できたら、正式に依頼します。着手金や費用体系についてはこの段階で書面での説明を受け、疑問があれば遠慮なく質問しておきましょう。

3. 相手方への通知・窓口の一本化

 受任した弁護士は、風俗店や相手方に対して、代理人として介入したことを通知します。風俗トラブルは緊急性が高いことも多く、書面だけでなく電話で速やかに連絡するケースもあります。あわせて、本人・家族・勤務先へ直接連絡しないよう申し入れます。

 これにより、依頼者本人が相手と直接やり取りする必要がなくなり、「家族や職場にバラす」といった働きかけに対しても、弁護士を通じて対応できるようになります。

4. 交渉・和解案の提示

 双方の言い分を踏まえ、弁護士が落としどころを探ります。事実がない請求であれば支払わない方向で、支払いがやむを得ない場合は妥当な金額へ——というように、依頼者の意向を確認しながら和解案をまとめていきます。すでに過大な金額を払っている場合には、返金を求める対応が検討されることもあります。

5. 示談書の作成・締結

 合意に至ったら、弁護士が示談書を作成します。内容を確認して署名・押印すれば締結です。身分証などを相手に預けている場合は、この段階で返却を求めます。示談書を自宅に置くと家族に知られないか不安、という声も多く、相手の氏名を伏せる、弁護士が預かるといった配慮が可能なこともありますので、心配な点は相談してみてください。

費用について確認しておきたいこと

 「依頼したものの、費用ばかりかさんで納得できなかった」という事態を避けるには、依頼前の確認が有効です。次の点を押さえておくとよいでしょう。
 まず、費用体系の内訳です。相談料・着手金・報酬金がそれぞれいくらか、報酬金はどんな結果のときに発生するのかを、書面で確認します。

 次に、追加費用の有無です。交渉から訴訟に移った場合や、出張・接見が増えた場合に、別途費用が発生するのかを聞いておきます。

 さらに、支払方法です。着手金の分割に応じてもらえるかどうかは、事務所によって異なります。

 最後に、無料相談の範囲です。初回無料でも、時間や回数に条件がある場合があります。

 これらを最初に確認しておけば、総額の見通しが立ち、安心して依頼を進めやすくなります。

まとめ

 風俗トラブルを弁護士に依頼する際の費用は、**弁護士に払う費用(相談料・着手金・報酬金・日当・実費)**と、相手に払う可能性のある示談金・慰謝料に分けて考えるのが出発点です。弁護士費用は事務所や事案によって幅がありますが、示談交渉なら数十万円台、刑事対応まで含むとより高くなる、という相場観を目安に、依頼前の見積もりで自分のケースを確認しておくと安心です。

 流れとしては、相談で見通しを立て、受任後は弁護士が窓口となって相手方と交渉し、示談書の締結で解決を目指す、という段階を踏みます。相手との直接のやり取りから離れられること自体に、心理的な負担を軽くする意味があります。

 弁護士法人若井綜合法律事務所では、風俗トラブルについて客側の立場からのご相談をお受けしています。費用や進め方に不安がある段階でも構いません。ひとりで抱え込む前に、まずはお問い合わせください。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

若井亮
専門家

若井亮(弁護士)

弁護士法人若井綜合法律事務所

風俗トラブルや男女トラブル、それに伴う刑事事件まで一貫して対応。累計相談件数は男女トラブル約23,000件、風俗トラブル約8,000件。全国からの相談を24時間受け付け、迅速な対応を心がけています。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

風俗・男女トラブルの不当要求から依頼者を守る弁護士

若井亮プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼