男女トラブルは誰に相談すべき?弁護士に依頼するメリットと費用・流れを解説
本記事は、2026年10月時点の法令(2023年施行の改正刑法・性的姿態撮影等処罰法、拘禁刑への移行を含みます)をもとに作成しています。個別の事情によって結論が変わることがありますので、具体的な対応は専門家にご相談ください。
交際相手から「写真を送って」「なんで送ってくれないの」と、性的な画像を何度も求められて困っている、というご相談は少なくありません。断ると不機嫌になる、連絡が途切れない、「好きなら送れるはず」と言われる。関係を壊したくない気持ちと、送りたくない気持ちの間で迷っている方も多いと思います。
この記事では、性的な画像をしつこく求められたときに、どこから法的な問題になり得るのか、断るときに押さえておきたいこと、記録の残し方、すでに送ってしまった場合の動き方を順に整理します。
「送って」と求めること自体は、すぐに違法になるのか
まず前提として、大人同士の交際で、相手が一度「送ってほしい」と頼んだことだけをもって、直ちに犯罪になるわけではありません。送るかどうかは本人が決めることで、断ればそこで終わるのであれば、法的な問題として扱われる場面は多くありません。
ただし、要求のされ方や相手の年齢によって、扱いは大きく変わります。次のように分けて考えると、自分の状況がどこに当たるかを見通しやすくなります。
| 状況 | 考えられる法的な扱い |
|---|---|
| 一度頼まれ、断ったらそれで終わった | 通常は法的な問題になりにくい |
| 断った後も、連続してメッセージや電話が続く | ストーカー規制法の「つきまとい等」に当たる余地がある |
| 「送らないなら〜する」と不利益を告げられる | 脅迫罪・強要罪が問題になり得る |
| 求められている側が16歳未満 | 求めること自体が処罰の対象になる場合がある |
| 求められている側が18歳未満 | 児童ポルノ禁止法や青少年健全育成条例が問題になる |
「交際しているのだから仕方がない」と考える必要はありません。交際関係にあっても、送るかどうかを決める自由は本人にあります。
しつこい要求が法的な問題になる場面
断った後も、連続してメッセージが続く場合
ストーカー規制法は、恋愛感情などを満たす目的で、拒まれたにもかかわらず連続して電話をかけたり、メッセージを送ったりする行為や、性的羞恥心を害する事項を告げる行為を「つきまとい等」として規制しています。
交際中のやり取りがそのまま規制の対象になるかは、関係の状況や回数、内容によって判断が分かれます。とはいえ、はっきり断った後も性的な画像を求めるメッセージが繰り返し届いている場合には、警察に相談して警告などの対応を検討してもらえる可能性があります。詳しくはSNS・LINEの執拗な連絡はストーカーになる?警告・禁止命令の流れでも解説しています。
「送らないなら〜」と不利益を告げられた場合
「送らないなら、前の写真を友達に見せる」「家族に交際のことを話す」「家に行く」など、名誉や身体、自由などに害を加えることを告げて要求してくる場合には、脅迫罪(刑法222条、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)が問題になり得ます。さらに、そうした脅しによって実際に画像を送らせた場合には、義務のないことを行わせたとして強要罪(刑法223条、3年以下の拘禁刑)に当たる可能性があります。
一方で、「送ってくれないなら別れる」と言われただけでは、直ちに脅迫に当たるとはいいにくいのが実情です。ただ、こうした言葉で繰り返し追い詰められている状態は、交際相手からの精神的な圧力として、デートDVの相談窓口でも扱われています。脅しの文言の見分け方については、元恋人からの脅迫・強要|「別れるなら〜」への刑事対応(脅迫罪・強要罪)も参考になります。
求められている側が18歳未満の場合
求められている側が18歳未満であれば、扱いはまったく異なります。16歳未満の人に対して性的な姿態の映像を送るよう求める行為は、刑法182条3項により、実際に送られたかどうかにかかわらず処罰の対象になる場合があります(13歳以上16歳未満の場合は、相手が5歳以上年長であることが要件です)。
また、18歳未満の人に自分で撮影させて送らせる行為は、児童ポルノの製造として処罰されることがあります。東京都をはじめ多くの都道府県の青少年健全育成条例でも、拒まれたにもかかわらず18歳未満の人に画像を求める行為などが禁じられています。お子さんがこうした被害に遭っている場合は、【親子問題】18歳未満の子が性的搾取の被害に遭っている場合の窓口もご覧ください。
断るときに押さえておきたいこと
しつこく求められると、「顔が写っていない1枚だけなら」「下着姿までなら」と、妥協点を探したくなることがあります。しかし、一度送った画像は相手の端末に残り、こちらでは管理ができなくなります。また、一度応じると「この前は送ってくれた」と、次の要求の足がかりにされることも少なくありません。
断るときは、次の点を意識しておくと、後で状況を説明しやすくなります。
- 送らない意思を短く、はっきり伝えます。
- 理由を詳しく説明し続ける必要はありません。
- 相手を説得しようとして長いやり取りを続けないようにします。
- 断った後の相手の反応は、消さずにそのまま残しておきます。
- 身の危険を感じるときは、一人で会って話をつけようとしないようにします。
「送れない」ではなく「送らない」と伝えておくと、こちらの意思で断ったことがやり取りの上でも明確になります。返信の頻度を落とす、通知を切るといった距離の取り方も、自分を守るための正当な選択です。
やり取りの記録を残す
要求がしつこく続いている場合、後で警察や弁護士に相談するときに最も役に立つのは、やり取りの記録です。相手との関係を終わらせたいと思っても、トーク履歴やアカウントは先に消さないようにしてください。
- 要求のメッセージ全体のスクリーンショット(日時と相手のアカウント名が写るもの)。
- 断った自分のメッセージと、その後の相手の反応。
- 電話の着信履歴と、通話の日時・内容のメモ。
- 脅すような文言が含まれるメッセージ。
- 相手のアカウントID、電話番号、知っている範囲の氏名や住所。
メッセージアプリによっては、相手が送信を取り消すと画面から消えてしまうことがあります。気づいた時点で保存しておくと安心です。証拠の残し方は男女トラブルの証拠の集め方|LINE・録音・写真を法的に有効にするで詳しく扱っています。
すでに送ってしまった場合
断り切れずに送ってしまったことを、自分の責任だと感じている方もいます。しかし、送ってしまった後でも取れる手段はあります。まず大切なのは、追加の画像を送らないことです。「もう1枚送れば消す」と言われても、その約束が守られる保証はありません。
交際中に送った画像を、相手が本人の同意なく第三者に見せたり、ネットに載せたりした場合には、リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)の対象になり得ます。この法律は、本人が自分で撮影して交際相手に送った画像も保護の対象にしています。拡散される前の段階では、削除と第三者への提供をしないことを約束させる合意書を交わす方法も考えられます。
詳しくは別れた相手が裸の画像を持っている|拡散される前に削除させる交渉で解説しています。すでに画像をネタに脅されている場合は、セクストーション(性的脅迫)に遭ったら|最初の1時間で決まることもあわせてご覧ください。
相談先の使い分け
状況によって、最初に連絡する先は変わります。迷ったときは、身の安全に関わるかどうかを最初の基準にしてください。
| 状況 | 主な相談先 |
|---|---|
| 今まさに危害を加えられそう、家の前に来ている | 110番 |
| 脅しが続いている、警察に動いてもらいたい | 警察相談専用電話(#9110)、最寄りの警察署 |
| 性的な被害について警察に相談したい | 性犯罪被害相談電話(#8103) |
| 性暴力の被害について、医療や心理面の支援も受けたい | ワンストップ支援センター(#8891) |
| 交際相手からの精神的な圧力全般について話したい | DV相談+(0120-279-889)、配偶者暴力相談支援センター |
| 画像の削除や相手との交渉、合意書の作成を任せたい | 弁護士 |
交際相手との関係については、同居しているかどうかでDV防止法の保護命令を使えるかが変わります。この点は交際相手からのDV(デートDV)|保護命令は使える?同棲の有無で変わる対応で整理しています。
弁護士に依頼した場合にできること
弁護士に依頼すると、本人に代わって相手に連絡し、今後の要求や連絡をやめるよう求めることができます。相手と直接やり取りする負担がなくなるため、別れ話を切り出しにくいと感じている方にとっても、関係を整理するきっかけになることがあります。
- 相手への通知と、今後の連絡・要求をやめるよう求める交渉。
- すでに送った画像がある場合の、削除と第三者に提供しない約束を盛り込んだ合意書の作成。
- 脅しが続く場合の、警察への相談や被害届・告訴への同行と準備。
- 画像が拡散された場合の、削除請求や発信者の特定、損害賠償請求。
どの手段がとれるかは、やり取りの内容や画像の有無、相手の連絡先がどこまで分かっているかによって変わります。相手に知られずに相談できるかが心配な方は、【男女トラブル】相手に知られずに相談できるか|相談しただけで相手に伝わることはないもご覧ください。
よくあるご質問
一度は自分から送ったことがあります。今さら断ってもよいのでしょうか
断って問題ありません。以前に送ったことがあっても、次も送らなければならない義務はありません。以前の画像をもとに「また送れ」と迫られている場合は、脅迫や強要の問題になり得ますので、やり取りを残したうえでご相談ください。
相手が年下で、自分も同じくらいの年齢です。相談してよいのでしょうか
年齢に関係なく、困っている段階でご相談いただいてかまいません。双方が18歳未満の場合には、送られた画像の扱いについて、受け取った側も含めて注意が必要になることがあります。保護者の方や学校、警察の少年相談窓口に話すことも一つの方法です。
別れたいのですが、別れを切り出すと画像を使われそうで怖いです
別れ話を本人どうしで進めることに不安がある場合は、弁護士を窓口にして関係を終える方法があります。【男女トラブル】別れ話を弁護士に任せるときの流れ|本人と会わずに関係を終えるで流れを紹介しています。
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性的な画像の要求は、交際関係の中で起きるために「自分が我慢すれば済む」と抱え込まれやすい問題です。送らないという選択は正当なものですし、断った後に要求や脅しが続く場合には、法的な手段で止められる可能性があります。やり取りを残したうえで、一人で抱え込まずにご相談ください。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


