男女トラブルは誰に相談すべき?弁護士に依頼するメリットと費用・流れを解説
元交際相手やSNS・マッチングアプリでつながった相手から、性的な画像や動画を「ばらまくぞ」「会社に送るぞ」と脅されている――。まだ実際には出回っていない「拡散前」の段階は、最悪の事態を防げる可能性が残っている一方で、焦りから相手の要求に従ってしまい、かえって被害を深めやすい局面でもあります。
この記事では、男女を問わず、拡散前にとるべき緊急対応を3つのステップに絞って解説します。「言うことを聞くしかない」と思い込む前に、まず落ち着いて順番に確認してください。
※本記事の法定刑は、2025年6月1日施行の改正刑法により「懲役」「禁錮」が「拘禁刑」へ一本化された後の内容で記載しています。
「拡散するぞ」という脅しは、それ自体が犯罪にあたりうる
まず押さえておきたいのは、画像がまだ出回っていなくても、「拡散するぞ」と告げて相手を怖がらせる行為は、内容に応じて犯罪にあたりうるという点です。脅されている側は、相手の言いなりになるしかない立場ではありません。
| 想定される罪 | 条文 | どのような場合か | 法定刑 |
|---|---|---|---|
| 脅迫罪 | 刑法222条 | 拡散をほのめかし、害を加えると告げて畏怖させる | 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| 強要罪 | 刑法223条 | 脅して「復縁しろ」「別れるな」など、義務のないことを強いる | 3年以下の拘禁刑 |
| 恐喝罪 | 刑法249条 | 脅して金銭を要求し、交付させる(未遂も対象) | 10年以下の拘禁刑 |
つまり、加害者の「脅し」そのものを刑事責任の対象として扱える可能性があります。この構造を知っているかどうかで、その後の動き方は大きく変わります。
なお、どの罪が成立するかは具体的な言動や状況によって変わり、成否の最終判断は個別の検討が必要です。
拡散前だからこそ焦らない――緊急対応3ステップ
拡散前は、まだ画像がネット上に出ていない段階です。ここでの初動が、被害を最小限にとどめられるかどうかを左右します。次の3ステップの順で進めてください。
ステップ1|やり取りを止め、脅しを「そのままの形」で証拠として残す
最初にすべきは、相手への返信・支払い・要求への応答を、いったん止めることです。感情的な反論や、その場しのぎの謝罪も避けます。反応することが相手の要求をさらに強めるおそれがあり、自分の発言が後で不利な材料になりかねないためです。
同時に、脅しの証拠を消さずに、そのままの形で残します。
- LINE・メール・DMのスクリーンショット(日時とアカウント名が写る形で)
- 通話があった場合は着信履歴を撮影しておく(当事者間の録音は原則として有効です)
- 要求の内容(金額・期限・「〜しろ」といった指示)が分かる部分
「怖くて消してしまいたい」と感じても、やり取りは相手の行為を裏づける重要な資料になります。自分から削除しないことが大切です。
ステップ2|これ以上の材料を渡さず、自分ひとりで交渉しない
次に、相手に新たな画像・個人情報・お金を渡さないことを徹底します。追加の要求に応じるほど、相手の手札が増えてしまいます。
とくに金銭を求められている場合、「一度払えば終わる」という前提は成り立ちにくいのが実情です。支払いは相手に「応じてくれる人」という認識を与え、再び要求されるきっかけになるおそれがあります。
また、自分で「消して」「やめて」と直接交渉することも、やり取りが長引いて相手を刺激するリスクがあります。窓口を弁護士など第三者に一本化したほうが、記録も残り、精神的な負担も抑えられます。
ステップ3|拡散前の「今のうち」に専門窓口へ動く
拡散前は、削除や発信者の特定に追われる前の段階です。だからこそ、早く動けるかどうかが分かれ目になります。相談先は主に次の2つです。
- 弁護士:加害者との交渉窓口を引き受け、脅しをやめるよう求める通知の送付や、刑事告訴の検討、万一拡散された場合の削除・損害賠償まで、一貫して対応できます。
- 警察:脅迫や恐喝は犯罪として相談できます。緊急性の高くない相談は警察相談専用電話「#9110」、ネット関係はサイバー犯罪相談窓口が窓口です。身の危険が差し迫っていると感じるときは、ためらわず110番してください。
早い段階で相談するほど、とれる選択肢は広くなります。「まだ実害が出ていないから」と待つ理由はありません。
もし実際に拡散されてしまったら(公表後の備え)
万一、画像が出回ってしまった場合でも、打てる手はあります。概要だけ押さえておきましょう。
- リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律):不特定または多数への公表を罰する公表罪は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、公表前の提供を罰する公表目的提供罪は1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。取り締まりの対象に男女は関係なく、親告罪とされています。
- 情報流通プラットフォーム対処法(旧・プロバイダ責任制限法/2025年4月1日施行):サイト運営者への削除(送信防止措置)の求めや、投稿者を特定するための発信者情報開示に関する手続きが定められています。
- 名誉やプライバシーの侵害を理由とした慰謝料など民事上の請求も検討できます。
まとめ
「拡散するぞ」と脅されている拡散前の段階は、不安の大きい局面ですが、まだ被害を最小限に抑えられる可能性が残されています。
- 止めて固める――やり取りを止め、脅しをそのまま証拠として残す
- 渡さない・ひとりで交渉しない――新たな材料を渡さず、窓口を第三者に一本化する
- 今のうちに専門窓口へ――拡散前のうちに弁護士や警察に相談する
この順番を意識するだけでも、対応は大きく変わります。ひとりで抱え込まず、状況を整理するところから始めてください。
当事務所では、脅迫・恐喝や画像の拡散に関するトラブルについて無料相談を承っています。 「拡散されるかもしれない」という段階でのご相談も可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。


