深夜・逮捕直後の緊急対応|今すぐ動くべき初動と連絡先
この記事は、2026年10月時点の刑法・刑事訴訟法・民法・弁護士法の規定をもとに、以前利用した風俗店の女性から、当時とは違う名前で連絡が届いた場面を、利用した客の側から整理したものです。実際の見通しは個別の事情によって変わりますので、具体的な対応は弁護士にご相談ください。
何年か前に利用した風俗店の女性から、ある日突然、見覚えのない名前でLINEやSMSが届くことがあります。名乗っているのが当時の源氏名ではなく本名らしき名前だったり、別の店での名前だったりして、最初は誰からの連絡なのかすぐには分からないかもしれません。読み進めるうちに当時の利用に触れる内容だと気づき、「今になって何を求められるのか」と不安になる方は少なくありません。
弁護士ドットコムなどの法律相談サイトにも、数年前の利用について突然電話が来た、以前利用した店の女性の関係者を名乗る人から着信があった、何年も前の行為を「不同意だった」と言われないか心配だ、といった質問が寄せられています。この記事では、別の名前で連絡が来たときに何を確かめ、返信の前に何を避けておくべきかを順に整理します。
「別の名前」で連絡が来る主な場面
風俗店の女性は、店では源氏名で働いていることがほとんどです。そのため、後から個人として連絡してくるときに、客の側が知らない名前になるのは珍しいことではありません。ただ、名前が違うということは、送り主が誰なのかを客の側で確かめにくいということでもあります。
本名やSNS上の名前で連絡してくる
店を辞めた後、または店を通さずに、本名やSNSのアカウント名で個人的に連絡してくる場面です。当時交換したLINE、予約時に伝えた電話番号へのSMS、SNSのダイレクトメッセージなどが使われます。予約時に伝えた情報の扱いについては【風俗トラブル】予約時に伝えた本名・電話番号はどう使われるのかで詳しく扱っています。
別の店に移り、新しい源氏名で連絡してくる
女性が別の店に移っている場合、新しい店での名前を名乗って連絡してくることがあります。新しい店への来店を誘う、いわゆる営業の連絡にとどまることも少なくありません。
本人ではない人物が、本人を名乗っている可能性
注意したいのは、当時の女性とは別の人物が、本人や本人の代理を名乗って連絡してくる可能性です。店から顧客の情報が外部に渡っていたり、女性の交際相手や知人が関わっていたりする場合もあります。名前が当時と違うという点だけでは、本人からの連絡かどうかを判断できないことを、まず押さえておく必要があります。
連絡の中身によって、受け止め方は変わる
| 連絡の内容 | 考えられる意味合い | まず考えたいこと |
|---|---|---|
| 近況の報告や、会いたいという誘い | 新しい店への来店の誘い、個人的な関係への誘い | 応じる義務はありません。店の外で個人的に会うと、新たな金銭トラブルの入口になることがあります |
| 当時の行為への抗議や、謝罪の求め | 当時の出来事を女性が問題だと感じている | 事実関係を整理する前に、行為を認める内容の返信をしないことが大切です |
| 慰謝料や示談金などの金銭の請求 | 損害賠償の請求、またはそれを装った不当な要求 | 請求している人物、金額の根拠、支払いの方法を確かめます |
| 「警察に相談する」「被害届を出す」という言葉 | 刑事手続を検討しているという通知、または支払いを促すための言葉 | 本当に手続が進んでいるかは、客の側からは確かめにくいことを前提に動きます |
| 当時の画像や動画の削除の求め | 撮影や保存をめぐる女性の不安 | 手元の記録を慌てて消したり送ったりする前に、扱いを相談します |
実際には、これらがいくつか組み合わさって届くことも多くあります。たとえば、最初は近況報告のような文面で始まり、何度かやり取りした後に金銭の話が出てくるという流れです。最初の連絡が穏やかな内容でも、後から請求に変わる可能性を念頭に置き、やり取りの記録は残しておくのがよいでしょう。
時間が経っていても、請求や捜査の可能性がなくなるわけではない
「何年も前のことだから、もう問題にはならないのではないか」と考える方もいます。しかし、民事の請求にも刑事の手続にも法律で定められた期間があり、その期間が過ぎるまでは可能性が残ります。
民事の請求の期間
不法行為に基づく損害賠償の請求権は、被害者が損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年で時効によって消滅するとされています(民法724条)。人の生命や身体を害する不法行為では、前者の期間が5年になります(民法724条の2)。性的な被害がこれにあたるかは、事案ごとに検討が必要です。また、期間が過ぎていても、時効を主張する(援用する)ことで初めて請求権が消滅するという点にも注意が必要です(民法145条)。
刑事の公訴時効
2023年7月13日に施行された刑法などの改正により、不同意性交等罪(刑法177条)の公訴時効は15年、不同意わいせつ罪(刑法176条)の公訴時効は12年に延ばされました(刑事訴訟法250条3項)。被害を受けた時に18歳未満だった場合は、18歳になるまでの期間がさらに加わります(同条4項)。延長後の期間は、改正の施行時点で公訴時効が完成していなかったものにも適用されるとされています。
一方で、罪が成立するかどうかは、原則として行為の時点の法律で判断されます。2023年7月13日より前の利用であれば、改正前の強制性交等罪や強制わいせつ罪などの要件に照らして検討することになります。時効の考え方は風俗トラブルの時効早見表|公訴時効と民事の消滅時効はいつ終わるのかもあわせてご覧ください。
返信する前に確かめておきたいこと
- 連絡してきた人物が、当時の女性本人かどうか。
- 相手が言っているのが、いつ、どの店での利用のことか。
- 相手が何を求めているのか(謝罪、金銭、画像の削除、再会など)。
- こちらの連絡先をどこで知ったのか。
- 返事や支払いに期限を区切っているか。
こちらから当時の詳細を書かない
本人かどうかを確かめたいときは、こちらから「〇年〇月に〇〇という店で会った方ですか」と具体的に書くのではなく、どの件についての連絡なのかを相手に示してもらう形が無難です。こちらが先に日時や店名、当時の出来事を書いてしまうと、相手が本人でなかった場合には情報を渡すことになり、本人であった場合にも、その文面が当時の状況を認めたものとして扱われるおそれがあります。
当時の店に問い合わせる前に考えたいこと
確認のために当時の店へ問い合わせたくなるかもしれません。ただ、問い合わせをきっかけに店がこの件に入り込み、店を窓口とした交渉が始まることがあります。弁護士でない者が報酬を得る目的で他人の示談交渉を行うことは、弁護士法72条との関係で問題になり得るもので、客と示談交渉をしたとして風俗店の店長らが同法違反の疑いで逮捕されたとの報道もあります。店に連絡するかどうかは、相談のうえで決めるのが安全です。
第三者が関わっている場合
途中から交際相手や知人を名乗る男性が出てくる場合や、本人とは別の名義の口座への振込みを求められる場合には、正当な請求なのか、それを装った不当な要求なのかを慎重に見極める必要があります。見分け方は【風俗トラブル】キャストの交際相手・知人を名乗る男性から連絡が来たや美人局と正当な慰謝料請求の見分け方|払う前に確認すべきことで扱っています。相手が名乗りを変えたり匿名のまま要求を続けたりする場合の考え方は、【不当要求対応】相手が匿名・偽名のまま要求してくる|誰に返答するのかも参考になります。
やり取りの中で避けたい対応
不安から早く終わらせたいと考え、次のような対応をとってしまうことがあります。いずれも、後から状況を整理する際に不利に働いたり、選べる手段を狭めたりするおそれがあります。
- 当時の行為を認める内容や、全面的に謝罪する内容の返信をすぐに送ること。
- 相手から指定された個人名義の口座に、言われた金額を振り込むこと。
- 直接会って話し合うこと。
- 相手を責めたり、強い言葉で反論したりすること。
- 画面を保存しないまま、相手をブロックしたりやり取りを削除したりすること。
- 当時の画像や動画を、相談の前に削除したり相手に送ったりすること。
謝罪すること自体が悪いわけではありませんが、事実関係を整理する前の謝罪の文面は、当時の行為を全体として認めたものと読まれることがあります。また、支払えば終わるという保証はなく、一度支払ったことが追加の請求につながる例もあります。店を通さない個人からの請求については【風俗トラブル】キャスト本人から個人のLINEで連絡が来た|店を通さない請求の扱い、振込先については【風俗トラブル】振込先が個人名義の口座だった|払う前に確かめることもご参照ください。
支払わなければ家族や職場に知らせる、警察に通報するといった言葉とともに金銭を求められている場合には、恐喝罪(刑法249条)が問題になる場面もあります(「金を払わなければ通報する」と脅されたら|風俗トラブルにおける恐喝罪への対処法)。
返信しないという選択と、その限界
当時のサービスの範囲で思い当たる問題がなく、相手から具体的な要求もない場合には、返信をせずに様子を見るという対応も考えられます。弁護士ドットコムでも、不同意性交等罪にあたるような事実がうかがわれない相談について、基本的には応じなくてよく、具体的な要求が来た段階で警察に相談すればよいと助言している回答が見られます。
ただし、返信しないことで、相手が本人なのか、何を求めているのかが分からないままになる面もあります。連絡が繰り返される、家族や職場の名前が出てくる、金額や期限が示されるといった変化があれば、その段階で対応を切り替える必要があります。連絡が途絶えた後の考え方は【風俗トラブル】風俗トラブルの後、数日たっても連絡が来なければ終わったと考えていい?で扱っています。
被害届や警察の話が出ているとき
「警察に相談した」「被害届を出す」と書かれていても、それが事実かどうかを客の側から確かめる方法は限られます(【風俗トラブル】キャストが警察に相談したと聞かされた|本当かどうか確かめる方法はあるか)。慌てて支払いに応じるのではなく、当時の利用の状況を時系列で書き出し、予約や支払いの記録、当時のやり取りが残っていれば保存しておくことが、後の手続への備えになります。自分から警察に事情を伝えておくかどうかも状況によって判断が分かれるため、弁護士と相談して決めるのがよいでしょう。
弁護士に相談した場合にできること
弁護士にご相談いただいた場合、まず、届いた連絡の内容と当時の事情をうかがい、相手の求めにどの程度の根拠があるのかを整理します。そのうえでご依頼を受けた場合には、次のような対応が考えられます。
- 弁護士が窓口となり、相手が当時の女性本人かどうか、何を求めているのかを確認すること。
- 請求に根拠が見当たらない場合や、恐喝にあたるような要求である場合に、応じない旨を書面で伝えること。
- 話し合いで解決を図る場合に、相手本人との間で、清算条項や接触しないことの約束を含む合意書を結ぶこと。
- 被害届や警察の話が出ている場合に、刑事手続の見通しを踏まえて対応を組み立てること。
弁護士が窓口になれば、ご本人が相手と直接やり取りする必要は基本的になくなります。ただし、結果は事案ごとに異なり、必ず請求が止まるといったことをお約束できるものではありません。
よくあるご質問
相手が本当に当時の女性かどうか分からないまま、返信してもよいですか
返信すること自体が直ちに問題になるわけではありませんが、相手が誰か分からない段階で、こちらの氏名や当時の詳細を書くのは避けたほうが無難です。返信する場合も、どの件についての連絡なのかを相手に示してもらう程度にとどめるのがよいでしょう。
偽名で利用していたのに連絡が来ました。本名まで知られているのでしょうか
予約時の電話番号や当時交換した連絡先を使って連絡が来ている場合、本名まで知られているとは限りません。一方で、相手がすでに本名を知っている場合もあるため、こちらから名乗る前に状況を整理することが大切です(【風俗トラブル】偽名で利用していた|本名を知られていない場合の請求)。
何年も前のことでも、慰謝料を払わなければならない場合はありますか
当時の行為が女性の権利を侵害するもので、時効が完成していなければ、損害賠償の責任を負う可能性はあります。ただし、請求の根拠となる事実があったのか、金額が妥当なのかは別に検討が必要です。慰謝料の考え方は【風俗トラブル】女性を傷つけたとして「慰謝料」を求められたら、払う必要はある?で整理しています。
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まとめ
昔利用した店の女性から別の名前で連絡が来たときは、相手が誰で、何を求めているのかが分からないまま返信や支払いをしないことが出発点になります。当時の事情や届いた文面によって取るべき対応は変わりますので、不安を感じた段階で一度ご相談ください。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


