マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
●秋の気配に耳を澄ませよう
猛暑続きの中、毎日朝夕、畑の野菜と庭の花に水やりするのが日課になっていますが台風一過、急に涼風が吹き、虫の音に爽秋の風情が感じられるようになってきました。
この時期の季語に「夏の果て」がありますが、しだいにその趣が感じられるようになってきたということですね。
過ぎ去る夏を惜しむ人もいれば、収穫や芸術の秋の到来を待ちわびる人もいるでしょうが、いずれにせよ秋はやってきます。
周囲の山の様子や庭の花がそれを物語っていますし、稲穂も首を垂れ始めました。
台風の影響も大きいと思いますが、空も幾分高くなり、雲の様子も変わってきて、空気も澄んできたようです。
●自然や環境に真摯に向き合いたい「二百十日」
ところで9月の1日頃は立春から数えて210日目の、雑節の一つ「二百十日」がありますが、今年は8月31日でした。
一年のうち最も台風が多い頃といわれていますが、今回の台風はそれに合わせてやってきましたね。
二百十日、八朔、二百二十日を先人は「農家の3大厄日」として、ことのほか警戒するよう現代人に伝えてくれましたが、素直に受け止めたいものです。
それと同時に自然に対し真摯に向き合うことの大切さを認識しなければいけませんね。
日本人は四季に恵まれ、四季折々の素晴らしい風情を愛でる豊かな感性をはぐくんできたわけですから、近年のこの異常気象に対して敏感に反応し、自然環境の変化にそれなりの対策を練らなければいけないでしょう。
今の異常な暑さや、経験したことのない雨に慣らされてはいけないということです。
まして戦争なんかもってのほかです。
二百十日に強い台風がやってきたことを機に、人と自然と環境について話し合うのもいいですね。
このことは、四季が3か月ごと規則正しく巡ってくる日本が率先する事項だと考えます。
●儚いものの象徴「白露」
9月7日は二十四節気の一つ「白露」です。
次第に大気が冷えてくると、空気中の水分が花や草や木に朝露として現れます。
寒さで白く見えるようになるわけですが、「露が降りると晴れ」と昔から言われており、朝露は心地よい一日の始まりです。
ちなみに「露」は儚いものの代表で、涙に例えられています。
儚く消えることを「露と消える」と表現しますね・・・。
ただ露の捉え方は様々です。
若い頃には何とも思わなかったのですが、年を重ねてくると、朝の光に輝く露は本当に美しいと感じるようになります。
その美しさは宝石にもたとえられるから、先人の感性は素晴らしいですね。
暦の上では、白露の頃になると、秋の趣が感じられ、恋教えどりと呼ばれる「鶺鴒(せきれい)」が姿を見せ始める頃とされますが、今年はどうでしょうか。
ちなみに昔の結婚式場には鶺鴒の置物や壁画等も見られたものですが、最近は全く影が薄くなりました。
生涯未婚、生涯非婚の人もますます多くなり、結婚そのものが遠くなった気がします。
時代の流れだけでは済まない気もしますが、如何でしょうか。
●敬老の日
9月は敬老月間であり、9月16日は「敬老の日」です。
歳を重ね祝ってもらう側になりましたが、老いに甘んずることなく百歳時代を健康で前向きに歩みたいものです。
確かに急速に進展するデジタルの波には乗れない面が多々ありますが、反面、年を重ねたからこそお伝えしたいことも沢山あります。
「亀の甲より年の功」というわけです。
私が主催する「生涯現役百歳大楽校③」9月講座は、敬老月間にちなみ《幸齢者の主張大会》を開催します。
昨年は60代から90代の8名様が発表されましたが、見習いたいことが多々ありました。
今回はどんな話が聴けるか楽しみです。