マナーうんちく話1849《自分の事として捉えたい「人生100歳二毛作時代」。高齢期を【幸齢期】にするために②》
日本の食料自給率低下が危惧される中、日本人の米離れも年々進行しているようです。
昭和37年をピークに減少傾向は続き、今ではコメの消費量はピーク時の半分以下になったとか。
2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、和食が世界の注目を浴びるようになりましたが、主食のコメの消費量はわずか半世紀で半減したわけです。
「一汁三菜型」の食事は次第に影を潜め、日本人にとっての「家庭の味」とはなんでしょうか?
終戦とともに、日本の礼儀作法が義務教育から姿を消しましたが、それと同時に学校の給食にパン食が導入され、食事のスタイルも大きく変化したようです。
敗戦の影響は計り知れないくらいのものがありますね・・・。
ただ依然米は100%近い国内自給率を誇っていますので、毎日美味しいコメが口に入ります。
改めて「米のご飯」のありがたさが身に沁みます。
なんだかんだと言っても米は縄文の頃からの付き合いで、日本人にとって切っても切れない関係でしょう。
ところでその米作りですが、昔は今のように食べ物に恵まれていませんでした。
だから米の存在感はとても大きかったわけですが、それだけに、米に100%依存していては米が不作の時に往生します。
しかし、一年の内、同じ畑で、例えば麦と米を両方収穫するようすれば、収穫量も増えるし、リスクも分散できます。
これが「二毛作」です。
ちなみに一年の内、同じ畑で、同じ作物を2回収穫するのは「二期作」といいます。
いずれにするかは、その土地の気候風土や食生活により異なりますが、どちらも土地の有効利用になります。
苦労も多いですが、喜びも大きいということです。
現在の日本は「平均寿命」も「健康寿命」も世界トップクラスで、百歳人口が9万人を超え、まさに人生百歳時代に突入した感があります。
人口10万人当たりの百歳人口も日本は世界でトップです。
終戦直後は先進国の中では平均寿命がワーストクラスだった日本が、70年経過した今では平均寿命や健康寿命のみならず、人口10万人当たりの百歳人口もトップクラスに躍り出たわけです。
長寿は人類永遠のテーマであり、それを世界に先駆け達成できたことは実に嬉しい事であり、めでたい事であり、世界に誇れることだと思います。
原因は色々考えられますが、敗戦後も、持ち前の勤勉さで懸命に働き、経済を豊かにし、腹いっぱいご飯が食べられるようにして、栄養状態や衛生状態をよくしたことがおおきいでしょう。
加えて国民皆保険制度、国民皆介護保険制度の充実、医療技術の発展、さらに健康への関心を広めたことですが、それだけではありません。
日本が「平和な国づくり」に精を出したことも忘れてはいけません。
改めて先人に感謝です。
当時はお国のために尽くしたいという、立派な官僚や政治家が大勢いたのでしょうね。
頭が下がります。
そして、せっかくこのような国と時代に生まれたわけですから、人生百歳時代を豊かに過ごしたいものです。
ではどうする?
先ず人生百歳時代を、自分のこととして捉え、新たな生き方を見出すことが大切だと考えます。
「サザエさん」の物語は戦後まもなく発表されましたが、当時は定年後の人生は殆どありません。
終戦直後は「定年=人生の終焉」ですが、今は定年後の人生が非常に長くなります。
「定年=セカンドライフの始まり」ということです。
つまり人生百歳時代の定年後は、今までと全く異なる人生を描くことが可能になります。
まさに「人生の二毛作」です。
そして定年後の人生の描き方ですが、今までの経験や知識やスキルを活かす生き方もいいでしょう。
また新たな挑戦もいいと思います。
いずれにせよ、常に何らかの形で社会とかかわり続けたいものです。
定年後もしばらくは働き続けることがいいと思いますが、セカンドライフでは、働く目的もいろいろあります。
報酬を得ることもさることながら、社会貢献、健康維持、人との関りも視野に入れるといいでしょう。
特にセカンドライフは健康面で大きな弊害が出やすい時期です。
個人差が大きいのが特徴ですが、備えも必要です。
お金の不安もあります。
しかし何といっても周囲との「人間関係」が大切です。
特に超高齢社会の大きな特徴は「独居高齢者」が多くなることです。
女性と男性では大きく異なりますが、特に男性のコミュニケーション能力は大事だと痛感します。
次回は豊かな二毛作人生へ向けての具体策に触れます。