まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
コロナ、コロナでスタートした令和3年も半分が過ぎようとしていますね。
歳を重ねてくると時の流れが速く感じる気がしますがいかがでしょうか?
コロナ禍と言え、毎日を充実したいものです。
ところで只今、北海道を除き全国的に梅雨の最中ですが、梅雨の語源は「黴雨」といわれるように、いろいろな病気が蔓延しやすい時期でもあります。
恐らく食中毒注意報などが出ている地域も多いのではないでしょうか。
ご自愛ください。
日本には8万を超える神社が存在しますが、神社では年に2回大規模な除災儀礼が執り行われます。
この時期、多くの地域でも行われると思いますが「茅の輪くぐり」という行事があります。
一年の折り返しになる6月の終わりに、半年間蓄積した穢れを払うとともに、今後の無病息災を祈願するため、茅で作った大きな輪を作り、それをくぐる行事です。
大晦日に一年間の蓄積した穢れを払う「年越しの祓い」に対し、6月に行うのが「夏越の祓(なごしのはらえ)」といわれます。
そして夏越の祓の一環として行われる「茅の輪」のくぐり方にも、実は作法があります。
神社で説明書等があればそれに従えばいいと思いますが、なければ下記の方法をお試しください。
ただし長い行列ができて、込み合っているときには流れに沿ってくださいね。
くぐりかたの基本は「左回り⇒右回り⇒左回り⇒お参り」です。
まずは大きな茅の輪の前に立ち一礼します。
左足から輪の中に入り左方向へ回り元の位置に戻り、再度一礼し今度は右足で入り右回りして元の位置に戻ります。さらに一礼して左足で入り左回りして元の位置に戻ります。もう一度一礼してくぐって今度は神前に進み一礼し参拝します。
輪をくぐるときに深々と一礼、左回りの時は左足から、右回りの時は右足からが基本です。
ちなみに礼法では立礼、座礼いずれの場合も、相手が神様・仏様の場合は深々とします。
茅は大変生命力が旺盛で、災いを寄せ付けない力があると伝えられており、災い除けに大きな輪や小さな輪をつくるわけです。
大きな輪はくぐりますが、小さな輪は腰に付ければいいでしょう。
677年に最初に行われ、その後大宝令により年中行事化されたといわれる大変長い歴史を有するわけですが、昔はどこの集落にも「茅場(かやば)」と呼ばれる「すすき野原」があり、それをかりとって茅葺の屋根を作ったわけです。
コロナ禍の令和3年の折り返し地点に来たこの時点に、半年を振り返るとともに、今後の在り方を改めて考えるいい機会になると思いますよ。
ぜひ身も心も清々しい気分になって下さいね。
また家の周囲に「清め塩」と酒をまいて清めるという手もあります。
私は近所の氏神様に参拝するとともに、家の周りに数か所盛り塩をして酒をまきます。加えてムカデ除け等の薬も数か所置きます。
自分流の百歳時代の長寿祈願であり、厄除けの儀式というわけですね。
ちなみに「茅の輪くぐり」にはこんな話が伝えられています。
北海の神が南海に旅した時、夜になったので宿を借りようとして村の裕福そうな家に行きお願いしました。しかしけんもほろろに断わられたので、今度は貧しそうな家に行きお願いしたところ、たいそう親身にもてなしてくれました
そこで神様がお礼として、疫病が流行したら「茅の輪」を作って腰に巻きなさい。
そうすれば疫病が退散しますと教えてくれたわけです。
その後疫病が流行し宿を断った金持ちをはじめ多くの人が亡くなったわけですが、宿を提供しおもてなしをした貧乏暮らしの男性は、茅の輪を腰に巻いていたので助かったという話です。
そういえば仏教では、三途の川を渡るときも、生きているときに善行を施したものは一番楽な川を渡ることができ、悪いことをしたら激流に流されるという教えがありますね。
ズルをしたり、悪いことをして得た地位や名声や財産では幸せになれない。
貧しくとも人にやさしく接し、正直に生きていく人が最終的には救われるということではないでしょうか。
忖度ばかりのひとが出世し、正義を貫いた人が報われない世の中であってはいけませんね。