マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫
新型コロナはコミュニケーションの在り方を大きく変えましたが、いかなる時でも心のこもった挨拶は大切にしたいものです。
私のモットーは、マナーうんちく話でも触れている「思いやりの言葉」と「笑顔」をそえた《和顔愛語》ですが、マスクが外せない今は難しいようですね
それに加え、握手や名刺交換等も控えられるようになってきましたが、挨拶全てが不要とはいかないでしょう。
心を込めた挨拶はいつでも、どんな時でも大切にしたいものです。
「お早うございます」「こんにちは」「失礼します」などの基本的な挨拶は、人間関係の基本ですで、この挨拶を通じ人付き合いがスタートします。
そして日本の挨拶のポイントは、相手が上司(年長者)であっても、部下(年下)であっても、されるのを待つのではなく、自分から積極的に挨拶することです。
挨拶の目的は「私はあなたの存在を確認しました」ということと、「私はあなたと仲良くしたい気持ちを有しています」という思いの表現ですから、当たり前といえば当たり前なのですが、意外にできていないのが現状です。
挨拶の基本は「明るく」「元気に」「笑顔で」が基本ですが、コロナ禍の今はTPOに応じて調整してください。
欧米の「握手」はプライベート及びビジネスシーンに応じて色々決まりがあるようですが、日本の挨拶は「先手必勝」です。先に挨拶を仕掛ければ、その後の会話が有利に展開する傾向があるからです。
それと挨拶に「心をこめる」こともとても大事です。
では「心を込めた挨拶」とはどのような挨拶でしょうか?
「相手の目を見て」も大切ですが、やはりその言葉の意味を正しく理解して、それを意識することに尽きると思います。
例えば「こんにちは」という挨拶の意味は「今日はご機嫌如何ですか?」という意味ですから、それをイメージしながら「今日は」といえばいいわけです。
「ありがとぅございます」は「有り難うございます」の意味で、通常では有難いことをしていただいたつもりで、感謝の気持ちを込めるといいでしょう。
「いただきます」は自分の命を長らえるために、卵や魚や肉や野菜や果物の食材の命をいただくという謝意で、「ごちそう様」は「おいしい料理を作っていただきありがとう」という意味です。
「お早うございます」は朝から働く人をねぎらう言葉で、「朝早くからご苦労様です」という意味があります。早朝に田んぼで働いている人に旅人がかけたねぎらいの言葉という説もあるようですが、「米の国」の日本人らしい挨拶ですね。
さらに挨拶をする際、相手の名前を呼ぶことを心がけて下さいね。
例えば「〇〇さんお早うございます」ですが、これにより相手に、自分はよく思われているという気持ちが伝わります。
ちなみに友好を深めるには、相手をよく理解することが大切ですが、とにかく相手の名前を覚えることです。
さらに今のようにマスク姿だと、先に挨拶を仕掛けても、相手が、自分が誰かわからないことが多々あります。このような場合は「〇〇さん今日は、いつもお世話になっています。△△です。」というように自分の名前を名乗って下さい。
また接客で大切にしている挨拶に「お迎え三分にお見送り七分」があります。
つまり「別れ際の挨拶」は大切だということで、別れ際には特に丁寧な挨拶をして、相手から「また会いたい」と思っていただけるよう心掛けて下さい。
江戸しぐさにも同じ意味の「後引きしぐさ」があります。
挨拶は相手の存在を確認するという意味がありますが、同時に相手の敵ではないことを理解して、安心してもらう必要があります。特にマスク姿では・・・。
だから挨拶はいつでも、誰にとっても、とても大切な役目があるわけです。