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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話1960《稲作に語源を持つ6月「水無月」。日本の米や食料にもっと関心を持とう!》

2020年6月4日

テーマ:日常生活におけるマナー

コラムカテゴリ:くらし

「つい降って、つい上がる」などといわれるように、この季節はいつの間にか梅雨になるもので、今年も九州や四国の一部で早くも梅雨にはいったようです。

これからしばらく雨との付き合いになりそうですが、適度な雨に恵まれたいものですね。水は命に直結する大事なものですが、降りすぎると災害を招くことになりかねません。

自然の営みに畏敬の念を抱いた先人の気持ちがよくわかる気がしますが、きれいな水に恵まれた生活には感謝したいものです。

ところで現在では月の呼び方は1月、2月、3月というように数字を使用するケースが多いようですが、明治の初めまで使用されていた旧暦では、季節の行事に合わせた和風の呼び方をしていました。

稲作で栄えた日本に古くから伝わる「和風月名」です。

新暦では数字で表現、旧暦では和風言葉での表現だと認識していただければいいと思いますが、和風月名では5月は「皐月」で、6月は「水無月」です。

皐月は「早苗」を植える月の「早苗月」が転じたものですが、「水無月」はどうでしょう・・・。

6月といえば梅雨の月で、一年で最も雨の多い月なのですが「水無月」といえばおかしい気もします・・・。

水無月は普通に解釈すれば、水のない月と解釈できそうですが、この「無」は「の」の意味があります。つまり「水無月」は「水の月」という意味で、田植えをするために田んぼに水を引く月ということになります。

日本ではほとんどの地域で5月か6月に田植えが始まり、米作りがスタートするわけですが、5月も6月も田植えに密着した名前がついたわけですね。旧暦はすべてがそうではありませんが、稲作や農事に結びついているということでしょう。

ところでこれからほとんどの地域で本格的に田植えが始まりますが、米を主食にしている現代人は「米」に対して関心が薄れているような気がします。

米は以前から世界の貧困や飢餓を救う食べ物として期待されていますが、日本は稲作を中心とした農耕文化で栄えた国で、日本人にとって稲は「命の根」です。

だから狭い農地でより多くの人の命を繋ぐために、先人は素晴らしい知恵を働かせました。直接田んぼに種をまかずに、「苗代」であらかじめある程度育てて、それを田んぼに植え替えるわけで、これが「田植え」です。

その際、日本の神事では「田の神様」をお迎えするわけですが、田の神様をお迎えし、おもてなしするのが「早乙女」です。

そして今では水田は文化のみならず環境保全にも大きく貢献していますが、米作りは日本人の精神文化にも大きな影響を与えてくれました。

モノづくりの基本も、勤勉さやち密さや和する心もそうでしょう。
さらに豊かな自然と共生し、四季をめでる感受性などなどもしかりですね。

また米作りには八十八の手間暇がかかるので一粒のコメも大切にするという「もったいない精神」も世界が称賛した文化です。

そんな日本で物が豊かになるにつれ、米の減反、米の消費量の減少、米づくりの担い手の減少などで米作りが衰退しているのが現状です。さらに米を市場原理だけで計るようになってきたことも寂しいことです。

今、新型コロナの第2波に備えて色々な対策が議論されています。
医療体制やライフスタイルの在り方も大切ですが、古今東西人類は飢えとの戦であり、「生きることは食べること」です。

米作りをはじめ日本の農業や食料にも目を向けるべきだと思うのですが・・・。

いま日本の食料自給率は40%未満で、多くの農産物を外国に頼っています。
コロナ再発で世界の貿易が閉ざされて、食糧不足に陥って一番困るのは都会の人です。車や機械ではなく、食料品は自国で生産しなければいけないことを、コロナを機に肝に銘じておきたいものです。

この記事を書いたプロ

平松幹夫

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平松幹夫(人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾)

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