マナーうんちく話1940《自分も輝き子どもにも教えたい「スイーツ」の美しい食べ方》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:洋食のテーブルマナー

百花繚乱の一年で最も美しい時期ですが、コロナ騒動でストレスがたまりやすいと思います。春の息吹を感じながらストレス解消にスイーツを頂くのもいいですね。

江戸時代から酒好きを「上戸(じょうご)」、そして甘党を「下戸(げこ)」と呼んでいましたが、甘党の春を祝福するように多種多様なスイーツが勢ぞろいしています。

そこで和菓子に続き、今回は「洋菓子」の美しい食べ方に触れておきましょう。
子どもにもぜひ教えてあげて下さい。

今から約30年前に雑誌の影響で「ティラミス」が爆発的に流行し、その後お菓子、ケーキなどの糖分が高い食べ物を「スイーツ(sweets)」と呼ぶようになりましたが、今はスイーツといえば主に洋菓子を指します。デザートとも言いますね。

スイーツ(デザート)は種類も豊富で、大人にも子どもにも至福の時間を与えてくれますが、できれば美味しく、楽しく、美しく頂きたいものです。

まず和食は一部の大皿を除き、器を持ちますが、洋食は持たないのが基本的マナーです。これは和菓子と洋菓子にも当てはまります。

また和菓子は黒文字が使用されますが、洋菓子はカトラリー(ナイフ・フォーク類)が用意されます。店のサービスの仕方や、職場・家庭のもてなしの仕方などにより異なるものの、一般的にはデザートの基本はフォークです。

ちなみにフランス料理では肉料理の後にデザート(dessert)が出ますが、これはとても重要な意味があります。

和食は砂糖を使用しますが、西洋料理は砂糖をほとんど使用しません。だから人間の生理的欲望として、最後に甘いものが欲しくなるわけで、理にかなっています。

ところで家庭、職場、訪問先、喫茶店などでケーキを食べる際のポイントは、見た目を大切にして、最後までその美しさを保つことです。

イチゴのショートケーキやチーズケーキなどは一般的ですが、三角形のケーキは左側(尖った部分)から一口ずつ食べます。ちなみに尖った部分は左になります。

フォークで左端から縦に切って一口ずつ食べて下さい。次第に真ん中の部分に来たら今度は横に切って、その後同じように縦に切って食べればいいでしょう。

ミントの葉やイチゴ、キュウイ、ブルベリーなど果物が乗っている場合は、これらを先に取ってしまわず、その部分に来たら食べるようにすれば美しく頂けます。

タルトのように固い生地はナイフで切るのがベターですが、フォークだけですと、まずフォークを指して手前に寝かすように切ります。

ややこしいのはミルフィーユですね。横に寝かせて(手前に倒して)、左から一口大に切れば、比較的パイ生地がつぶれないと思います。しかしミルフィーユは、崩れても全く気にする必要はないでしょう。美味しさが引き立つかも・・・。

パンケーキは重ねたまま十字に切り、四分の一ずつ、上から一口の大きさで食べるようにします。

特に注意していただきたいのは、食べる時より食べ終えた時です。サランラップや銀紙などは小さくまとめて皿の上におき、フークを下側に置けばいいでしょう。

同じスイーツでも難しいのはフランス料理のデザートだと思います。
フランス料理では肉料理が終われば、塩・コショウ・パン皿、使用しなかったフォーク・ナイフが下げられ、フィンガーボールやスプン・フォークが用意されます。

フィンガーボールはブドウなど、手で食べるものに使用しますが、左上に置き、スプンは右、フォークは左です。

ケーキやパイならフォークを、アイスクリーム、ソルベ、プディングならスプンを使用しますが、使用しないカトラリーはそのまま食卓に置きます。食べ終わったらスプンは上向きに、フォークは尖った先が下向きでスプンの下に置いて下さい。

なおフィンガーボールは指先のみ交互に洗い、ナプキンで拭いて下さい。
アイスクリームに添えられている乾き菓子やプチフールは手で食べます。

いずれも前のめりにならないよう、姿勢を正しくしてくださいね。

最後にスイーツは、上戸も下戸も幸せをいっぱい感じながら召し上がって下さい。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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