マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
新型肺炎が終息の気配を見せず、今や人が集合すること自体大きなリスクとなっているようで、イベントの中止が相次いでいます。
何かと神経がめいり不安が尽きませんが、こんな時こそ、令和になって初めての春に心を寄せ、気分を少しでも和らげて頂ければと思います。
例年なら3月になると水がぬるみ、うららかになり、体感として春を実感しますが、春になって草木が芽吹くことを「草萌え」といいます。
今は自然を観察する気分になれないかもしれませんが、今年は暖冬のせいでしょうか、早くも小さな可愛らしい芽が、土の中から出て「今日は」しています。
ところで今まで努力して蒔いた夢の種が芽吹き始めるのがこの時期ですが、令和初の春に、新たな夢や希望に燃えている人も多いと思います。
しかしそれとは裏腹に心の健康が気になる季節でもあります。
今年は新型コロナウイルスの影響で特に嫌な気分になりがちですね。
新型肺炎は別として、春のストレスは大きく2種類あるといわれています。
一つ目は寒暖差で、昼と夜の気温の差が10度C以上になることもあり、身体に負荷がかかり、自律神経が乱れることから生じます。
そしてもう一つのストレスは環境の変化です、
3月は年度変わりでもあり、周囲の状況が大きく変化します、
卒業、退職、移動などにより人間関係が大きく変わる時期でもあります。
特に最近は周囲との人間関係を築くのが苦手な人が増え、そんなに意識していなくても大きなストレスを抱えているケースが珍しくありません。
加えて今年は今までにないストレスを感じる可能性が多々あります。
自分なりのストレス対策も是非工夫してみて下さい。
今年は卒業、入学、入社式などがどうなるのか、現時点ではよく分かりませんが、いずれにせよ、環境が大きく変わる年度末から年度初めは節目となる時です。
心の切り替えが必要かもしれませんね・・・。
先人は花が咲くことを「笑う」と表現しましたが、3月になれば沢山の花が目を楽しませてくれます。
また3月の異称は「花見月」です。
何かと不快になりやすい状況下ですが、季節の花を眺め気分転換を図るのもお勧めです。
先ず3月3日の雛祭に彩を添える「桃」が思い浮かびますが、桃は邪気を払う効果があるとされ、昔から多くの人に親しまれています。
しかし実際に花を咲かせるのは露地栽培の花は、あとひと月位先になります。
また早春に多くの花に先駆けて【先ず咲く】ことから名づけられた黄色の「満作」や、春告げ草の「梅」に続き、辛夷(こぶし)や、甘い香りがする香木の「沈丁花」も楽しみです。
そして月末になると、いよいよ桜の季節で花見シーズンの到来です。
どうか花見までには新型肺炎も終息しますように・・・。
ちなみに俳句の世界では「花」といえば桜で、桜の開花は日本の年中行事に大きな影響を与えますが、桜の花は冬の厳しい寒さによって美しい花を咲かせます。
いわゆる「休眠打破」ですが、今までの苦労や努力が実を結ぶ春になればいいですね。そしてこの春から新たな「自分作り」に励んでみるのもお勧めです。
新型肺炎に世界中がとても敏感になっている時です。
学校が休みになり、また仕事が休みになるかもしれません。
不必要に委縮しないで、今やることは何か?今できることは何か?に真剣に向き合ってみるのもいいかも・・・。
3月は旧暦では「弥生」ともいわれますが、弥生とは草木がますます生い茂るという意味です。
春の瑞々しい決意とともに元気でご活躍下さい。