マナーうんちく話516≪袖触れ合うも多生の縁≫
物事の見かた、捉え方の教えを説いた言葉に「一事が万事」という言葉があります。
「わずかな一つの事柄から他のすべてが理解できる」という意味で、いいことにも悪いことにも使用します。
「挨拶」もそうでしょう。
挨拶は「あなたの存在を確認した」という意味と、「あなたと仲良くやっていきたい」という意味があります。
そして挨拶のポイントは「心をこめる」ことですが、されたらするのではなく、こちらから先に仕掛けることです。
先に自分の方から挨拶をすれば、その後の話が有利に展開します。
「先手必勝」ということです。
「挨拶」も「誉め言葉」も先手必勝を心がけて下さいね。
そのためには心に余裕を持つことが大切です。
挨拶のタイミングを逃がして気まずい思いをしないよう、誰に対しても、笑顔で、爽やかな挨拶は人づきあいの基本です。
また相手の目を見て挨拶をして下さい。
さらに相手の名前を呼べばなお好感度が増すでしょう。
加えて出会いの挨拶も大切ですが、別れ際の挨拶はなお大事です。
「この人とまた会いたい」と思えるような心のこもった挨拶ということです。
江戸しぐさに「後引きしぐさ」があります。
普通は相手と別れるときには「さようなら」と言って別れるわけですが、さよならと言って別れた後、少し歩いたところで互いに振り返り「ふたたびおあいしたいものですね」というように名残惜しそうに分かれる仕草です。
ホテル勤務時代に何時も心がけていたことの一つですが、お客様をお見送りする際は、お客様が見えなくなるまで最後までお見送りをしました。
このしぐさは意外に効きます。
ぜひ試してください。
重複しますが、世知辛い世の中だからこそ、人付き合いは「手間暇をかける」「こまめに」「精神誠意」「見返りを求めない」を心がけて下さい。