マナーうんちく話662《冠婚葬祭マナー2、「冠」のいわれと内容①》
今年も残りわずかとなりましたが、日本人では一年を通じ何かと宴会が多いですね。
忘年会、新年会、歓迎会、謝恩会、各種祝賀会、結婚式、長寿を祝う会等など・・・
いずれも始まりは「乾杯」でスタートしますが、ややこしいのは終わり方です。
「万歳3唱」で終えるか「一本締めや三本締め」でお開きを迎えるか?
あるいは堅苦しいことは抜きにして楽しく自由解散にするか?
色々ありますが、以前「一本締め・三本締め」に触れましたので、今回は改めて「万歳」に触れてみます。
なお、「手締め」については《マナーうんちく話419「手締めのマナー(概要)」》、《マナーうんちく話420「手締めのマナー(一本締め・三本締め)」を参考にしてください。
ところで「万歳」とは昔は(ばんぜい)と言っていましたが、現在は(ばんざい)と読み、漢字のとおり10000歳を表す言葉です。
昔から「亀は万年、鶴は千年」といわれますが、亀や鶴に使用する言葉ではなく、万年は中国で皇帝に対して使用した言葉だといわれています。
ちなみに皇帝より位が低い諸侯に対しては「千歳」が使用されたとか・・・。
千歳は漢字のとおり1000年のことですが、長い年月という意味もあります。
日本でも七五三の時には長寿を意味する「千歳飴」がありますね。
そして私たちが日常で使用する「万歳」は、中国の「千秋万歳」(せんしゅうばんざい)からきた言葉で、「秋」は季節ではなく「年」を意味します。
勿論「歳」も「年」です。
つまり千秋万歳とは中国の皇帝の長寿を祈念したり、長寿を祝う言葉ということです。
日本でもおめでたいこと、喜ばしいことなどを表す動作をさして「万歳」という言葉がすっかり定着しています。
ただ、日本では天皇に対して歓喜する言葉はなかったようで、その代わりに最敬礼していたようです。
次回に続きます。