マナーうんちく話1778《「万歳」と「手締め」、どう違うの?①》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:冠婚葬祭のマナー

今年も残りわずかとなりましたが、日本人では一年を通じ何かと宴会が多いですね。
忘年会、新年会、歓迎会、謝恩会、各種祝賀会、結婚式、長寿を祝う会等など・・・

いずれも始まりは「乾杯」でスタートしますが、ややこしいのは終わり方です。

「万歳3唱」で終えるか「一本締めや三本締め」でお開きを迎えるか?
あるいは堅苦しいことは抜きにして楽しく自由解散にするか?

色々ありますが、以前「一本締め・三本締め」に触れましたので、今回は改めて「万歳」に触れてみます。

なお、「手締め」については《マナーうんちく話419「手締めのマナー(概要)」》、《マナーうんちく話420「手締めのマナー(一本締め・三本締め)」を参考にしてください。

ところで「万歳」とは昔は(ばんぜい)と言っていましたが、現在は(ばんざい)と読み、漢字のとおり10000歳を表す言葉です。

昔から「亀は万年、鶴は千年」といわれますが、亀や鶴に使用する言葉ではなく、万年は中国で皇帝に対して使用した言葉だといわれています。

ちなみに皇帝より位が低い諸侯に対しては「千歳」が使用されたとか・・・。
千歳は漢字のとおり1000年のことですが、長い年月という意味もあります。
日本でも七五三の時には長寿を意味する「千歳飴」がありますね。

そして私たちが日常で使用する「万歳」は、中国の「千秋万歳」(せんしゅうばんざい)からきた言葉で、「秋」は季節ではなく「年」を意味します。
勿論「歳」も「年」です。

つまり千秋万歳とは中国の皇帝の長寿を祈念したり、長寿を祝う言葉ということです。

日本でもおめでたいこと、喜ばしいことなどを表す動作をさして「万歳」という言葉がすっかり定着しています。

ただ、日本では天皇に対して歓喜する言葉はなかったようで、その代わりに最敬礼していたようです。

次回に続きます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

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