マナーうんちく話684《冠婚葬祭9、「婚活」への心構え》
国際化が急激な勢いで進展していますが、これは今日に限ったことではありません。
日本は国家としては世界屈指の長い歴史を有しており、海外との交流は既に縄文時代後期にはあったようです。
ちなみに日本人のほとんどの人は米を主食にしていますが、このころに稲作が伝わっています。
さらに卑弥呼は魏の国に使者を送っています。
そして538年には仏教や儒教が伝来するわけですが、この時に日本人の生活に多大な影響を与えた「陰陽五行説」も入ったようです。
陰陽五行説とは、自然を観察して、万物について判明したものを解りやすく纏めたもので、世の中のありとあらゆるものは「陰」と「陽」の相反する、2つの要素で成立しているという考えです。
例えば天と地、男と女、昼と夜、寒いと暑い、月と太陽、雨と晴れ、負と正などです。
非常に明快ですが、このペアは敵対するのではありません。
そしてこの思想が日本に伝わり大流行し、日常の生活や礼儀作法に大きな影響を与え、現代に至っています。
たとえば「数」もそうです。
偶数は「陰」の数字ですが、奇数は「陽」の数字で縁起がいいとされています。
ただし偶数でも「8」は「八」で、末広がりになるので、昔から大変縁起がいいとされる数字です。
今でも車のナンバーを「888」にしたり、マンションやホテルの部屋が8階の88号室に人気が集まったりしますね。
また五節句は1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日で、全て奇数で占められており、今でも「七草」「ひな祭り」「端午の節句」「七夕」等大きな年中行事になっています。
「七五三」もそうですね。
「七五三」は年々派手になっている気がしますが、3歳、5歳、7歳が、4歳、6歳、8歳に変わることはないでしょう。
ただ昔は数え年で祝っていたのですが、最近はビジネスチャンスの拡大や両親の都合などで、「数え年」でも「満年齢」のどちらでもいいとされているようです。
だったら奇数・偶数にこだわる意味がないようにおもうのですが・・・。
ビジネスの力は大きいですね。
このように「慶事」は縁起のいい奇数が今でも相場になっていますが、この考え方は恐らく当分は変わらないでしょう。
「奇数吉、偶数凶」のしきたりは、まだしばらく続きそうですね。
陰陽説は日本でも縁起のもとになっている考えで、生活文化の根源を成すものと言えると思います。
これに五行説が加味されるので、もっとややこしくなってまいります。
次回は「五行説」に触れます。