マナーうんちく話516≪袖触れ合うも多生の縁≫
「鉄は熱いうちに打て」といわれますが、理想は幼い頃より家庭環境に恵まれることだと痛感しています。
だから私が主催する研修会やマナーやコミュニケーション講座は、食事のマナーにエネルギーを注ぐわけです。
特に《食卓から発信するハッピーライフストーリー》の講話は、家族団らんの食卓作りを勧める講話で、婦人会、PTA、地域、各種団体、大学、企業等で精力的に展開しています。
また各種団体や企業などで研修会を行う際にも「ランチタイム」の共有を勧めます。
美味しいものを楽しく食べる時には、互いにコミュニケーションの活性化が図れるからです。
現に「同じ釜の飯を食う」という諺は今なお生きています。
同じ共同体が同じものを食べることにより帰属意識を持ったり、それを強める意味ですが、それぞれ食べるものは異なっても、食卓を共にするだけでもそれなりに効果は期待できるでしょう。
例えば、仕事では接点がない人と知り合いになったり、堅苦しい雰囲気の会議ではしゃべれない個人的意見も、リラックスして話せるとか・・・。
食卓を共にすることで、デジタルコミュニケーションでは得られない連帯感が生まれるということです。
ちなみに食事を共にするということは「相手をより理解する」「相手とより仲良くする」ことです。
自由とか個性が尊重される時代は良い面も沢山ありますが、そればかりでは他者との良好な人間関係は築けないでしょう。
また現在進行形の「働き方改革」は、かなり職場で浸透してきているようですが、物事を合理的にとらえている感が多々あります。
人間関係は逆で、非常に手間暇を要するというのが私の持論です。
話が少しそれますが、私は就職サポーターとして若者から還暦過ぎの人たちの就職・再就職支援に関わっています。
だから「働き方改革」には強い関心を抱いていますが、その前に大切なことがあります。
それは世界屈指の長寿国になった日本で、どんな仕事について、どのような人生を、どのように過ごしたいのか?を明確に描くことを進めています。
それができていないと、どんなに労働時間を短縮してもハッピーな生活は望めないかもしれませんね。
加えてあらゆる人との人間関係しかりです。
例えば働き方改革で金曜日に昼までで仕事を終えた主人が、それ以後の時間をどう過ごしていいかわからなかったり、家庭や地域での人間関係が悪ければ、早く帰宅しても、かえって苦痛になります。
一見無駄なように思えるかもしれませんが、無駄や矛盾を感じながら手間暇かけて築くのが、人生設計と良好な人間関係だと考えます。
当然、自分理解も必要です。
「手間暇かける」とは、労力や時間をしっかりかけるということです。
家事に手間暇かければそれだけ潤いも増すし、料理に手間暇枯れればより味わい深いものになります。
人間関係も同じです。
だから価値があるということです。
くれぐれも、良好な人間関係を築くのに見返りは求めないでくださいね。
次回に続きます。