マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
正月には歳神様が里帰りされるので、お餅をお供えしておもてなしをするわけですが、その後そのお餅を下げて、主が子どもや目下の者に配ります。
指導的立場にある人や立派に大人になった者が、まだ成長段階にある子供らにあげるわけですが、歳神様から新しい年の縁起物をいただくわけですね。
つまり「お年玉」は目上の者が、目下に渡すものと心得てくださいね。
年末の「お歳暮」は世話になった年長者や上司に感謝の気持ちで渡しますが、「お年」玉は逆です。
ちなみに、お年玉を年上の人に差し上げる場合は「お年賀」になります。
お年玉は、親から子供に、また親戚の子や、親しくしている友人の子に「ポチ袋」などに入れて渡すのが一般的です。
祝儀を入れる袋をポチ袋と呼び始めたのは、いつの時代化は定かでないようですが、「ポチ」には「これっぽっち」という意味があるようです。
恐らく非常に少ない金額なので謙虚な気持ちで渡したのでしょう。
ポチ袋は熨斗が付いた祝儀袋のように厳格なマナーはありませんが、お札なら三つ折りがいいでしょう。袋の表に宛名、裏には差出人の名前をお忘れなく。
ところで、歳神様へお餅をお供えしますが、これが「鏡餅」です。
昔は「鏡に神様が宿る」と考えられていたようですね。
だから鏡餅はとても大切なお供え物ですから、神棚や床の間に飾ってください。
現在のように、大きな餅と、小さな餅を重ねてお供えする習慣は、室町時代以降とされています。
加えて子どもにお年玉を上げる習慣も、室町時代頃から始まったと考えられています。
また年が明けて、初めて神社やお寺にお参りすることを「初詣」と言います。
昔は大晦日の夜に行うものでしたが、松の内にお参りすればいいでしょう。
では「初夢」はいつ見る夢かご存知でしょうか?
色々な説があるようですが、元日の夜、あるいは2日の夜に見る夢を初夢とすることが一般的です。
最近は健康と睡眠の関連がかなりわかってきたようですが、昔は縁起の良い絵を枕の下に敷いて眠る習慣があったようです。
今でも七福神が乗って、金銀財宝を満載した宝船は初春の風物詩になっていますね。
この他昔から「一富士、二鷹、三なすび」といわれますが、朝日が昇る夢や、乗り物に乗る夢は良いことがあるといわれていたようですね。
では不吉な夢を見たらどうすればいいのでしょうか・・・。
「南天」をつるしてください。
南天は「難を転じて福となす」といわれます。
さらに小さい時に、悪い事が起きたときには「ツルカメ、ツルカメ」と心の中で叫ぶように言われた経験があります。
信ずる、信じないは人それぞれでしょうが、不思議に心が落ち着いてくる気がします。
加えて、年の初めに世話になった人や親せきに新年の挨拶に回り、おめでたい言葉を交わし、新年を寿ぐ儀式のことを「年始」といいます。
二日から松の内の期間がお勧めです。
お歳暮を贈っていたら基本的には手ぶらでもいいですが、菓子など手ごろな品に「お年賀」と書いて持参するのがお勧めです。
但し松の内を過ぎたら「寒中お見舞」「寒中お伺い」になります。
玄関先で失礼するのがいいですが、どうしてもといわれたら部屋に入る時のマナーは心得てくださいね。
マナーうんちく話「訪問の仕方」を参考にしてください。