マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
12月は和風月名では「師走」ですが、一年最後の月ですから「除月」ともいいます。
そして一年最後の日を「除日」、また一年の最後の夜を「除夜」といいますが、12月31位日は「大晦日(おおみそか)」ともいいます。
「晦日」はその月の最後の日で、特に一年の最後の月の最後の日に「大」を加味して、一年の区切りにしたわけです。
大晦日は歳神様をお迎えするわけですから、入念に掃除をしてけがれをはらうことも大切です。
また日本人は昔から「けじめ」を大切にしました。
最初と最後が大切だということです。
「最初が肝心」とか、「終わり良ければ総て良い」とも言います。
正月に「初日の出」を拝みに行く人も多いと思います。
勿論一年の最初の日の出は神秘的であり、これに手を合わせれば「なにかいいことがありそう」な気分になります。
では一年最後の日に、つまり大晦日に沈む太陽に手を合わせますか?
数年前にあるお寺からご縁をいただき、講演の機会を与えて頂きました。
その後そこの住職から「多くの日本人は初日の出には手を合わせるが、沈む太陽に手を合わせる人は少ない」ということを教えて頂きました。
日頃マナー講師としていろいろな話をさせていただいておりますが、この言葉はまさに目からうろこで、自分自身の未熟さを思い知らされました。
ホトケに使える方の言葉は本当に重みがありますね。
改めて感謝の心を教えて頂いた気がしました。
日本は物が豊かで便利になりました。
上級学校に進学する人も増え、個性や権利を主張する人も多くなりました。
非常に良いことだと思いますが、反面「お礼が言える人」が少なくなった気がしてなりません。
欧米人は日本とは文化が異なりますから、恐らく初日の出に手を合わせないでしょう。
でも何かあれば「サンキュウ」という言葉を連発します。
おしげもなく、笑顔を添えて・・・。
この文化は日本人も見習うべきだと痛感します。
今日は大晦日で一年を締めくくる日です。
年越しそばを食べ、除夜の鐘をきくのもいいですが、沈む太陽に手を合わせ、一年の感謝をして、すがすがしい気分で新しい年を迎えたいものですね。
今年一年(マナーうんちく話)にお付き合いいただき大変ありがとうございました。
どうか良い年をお迎えくださいませ。