マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
7月の声を聞くと急に夏が来た感じですね。
いよいよ今年も一年の後半のスタートです。
先ずは衣食住において涼しさを呼ぶ工夫をこらし、夏を謳歌して下さい。
旧家だと襖や障子を取り払うと共に、建具も夏仕様に変えて解放感を出し風通しを良くしますが、最近はクーラーが普及しているので温度や湿度の調整も簡単に出来ますね。
そして海や山に出掛ける人も多くなります。
特に日本では古くから山は神様が宿るとても神聖な場所とされていました。
だからみだりに山に立ち入るわけにはまいりません。
但し期間を定めて修行する場合は可能になります。
全国各地の山で「山開き」が行われますが、そのようないわれがあります。
今では登山はすっかりレジャーになりましたが、神様が宿る神聖な場所に赴くという気持ちを持てば、美しさは当然維持しなくてはなりません。
ゴミ処理のマナーが問題になっていますが、この意識を持つことで解決できそうな気がするのですが、如何でしょうか。
ところで山の日が有れば「海の日」もあります。
今年は7月17日(月)ですが、日本では国民の休日になっています。
日本は四方を海に囲まれ何かと恩恵を受けているので、海に対する思いは格別なものが有るからでしょうか。
そして7月2日は「半夏生(はんげしょう)」です。
殆どの地域で既に田植えが終わっていますが、この頃までに田植えを終えないと収穫が半減すると言われています。
また7月の始めは何かと湿気の多い時期です。
食中毒も心配ですが、昔は「空からは毒が降り、地からは毒草が生える頃」とされており、地域によっては野菜の収穫を控えたり、井戸水に触れないようにしたりしていたようです。
だからこの時期は、田植えを終えた農家が休息を取る日でもあります。
そして「お中元」がピークになります。
年々お中元商戦は派手になりますが、お中元はどちらかと言えば儀礼的な贈り物です。
従って贈る場合も、贈られた時にも素敵なマナーを発揮して下さい。
《マナーうんちく話「お中元」》を参考にして下さい。
品物を贈るまでもないという人には是非「暑中見舞い」を出して下さい。
これは季節の挨拶状ですから、出すタイミングが大切で「小暑」から「立秋の前日」までとされていますが、梅雨が明けてからのほうが、実感が湧きますね。
暑い時期ですから相手を思いやる言葉をお忘れなく。
ちなみに梅雨時には「梅雨御見舞」が有ります。
そして立秋が過ぎれば「残暑見舞い」になるのでご注意ください。
また7月後半になれば鰻でおなじみの「夏の土用」です。
立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前日までの18日間が土用で、そのスタートとなる日が「土用の入り」です。
つまり土用は年に4回あるわけですね。
しかし最近では立秋の前の「夏の土用」が一般的です。
夏の土用と言えば万葉の頃から鰻が有名ですが、「う」のつくうどんや梅干しも有名です。
暑気払いに飲む点滴として有名な「甘酒」もおなじみになりましたね。
さらに7月23日は「大暑」。
一年で最も暑い真夏の頃です。
打ち水や夕涼みなど、暑さをしのぐ一時を大切にして下さい。
素足に下駄を履き、浴衣姿で夏の涼をとるのもいいですね。
枝豆に生ビールでの夕涼みも格別です。
どうかご自愛の上、夏を元気に過ごして下さい。