マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
一年で最も昼が長くて夜が短い時節ですが、梅雨時期でもあるので日差しが雨雲に遮られて実感が湧きませんね。
ところで四季が明確に分かれている日本では、季節を端的に表現する言葉が沢山あります。
夏は「短夜」、秋は「夜長」と呼びます。
ちなみに9月は長月ですがこれは「夜長月」のことです。
そして冬は日が短くなるので「日短」で、春は「日永」と呼びます。
6月もそろそろ終わり一年の半分が過ぎようとしていますが、どのような半年でしたか?
今は一年の折り返し点で、この半年の間に蓄積された穢れを払う行事が各地の神社で執り行われます。
「夏越しの祓」です。
これに対し12月に行われる罪や穢れを払う行事が「年越しの祓い」です。
先人は何かと「けじめ」を大切にしていたようですが、夏越しの起源は大変古く約1300年の歴史が有ります。
なにぶんにも1300年も前のことですから、食べ物も衛生状態も医療も生活水準も現在とは比較になりません。
「夏至」から大体ひと月くらい経過して本格的な暑さを迎えるわけですが、当時の栄養状態では夏の暑さを乗り切るのは大変です。
特に体力のない子供や老人にとっては・・・。
「七五三」の由来にもあるように、子供が一人前に成長できるかどうかは神のみが知るわけです。
当時の子どもが「神の子」と言われたゆえんはここにあります。
だから本格的な暑さを前にして、体を清めて、病魔や悪霊にとりつかれないように祈ったわけですね。
現在から考えたら非科学的なことですが、当時としては神にすがることが最大の厄払いです。
物事を節目・節目でけじめをつけ、仕切り直しをすることで、新たなステップにつなげるという発想は、まさに心豊かに生きる知恵ではないでしょうか。
体にたまった半年分の厄を払い、身も心もすがすがしい気持ちで7月からの一年の後半を過ごすのもいいものですね。
気持ちが引き締まるかも・・・。
以前にも触れましたが、日本にあるコンビニは現時点で恐らく5万数千件だと思いますが、神社は約8万社あります。
如何に身近な存在かお分かり頂けると思います。
近くの神社に参られるのもお勧めです。