マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
「春は嵐と共にやってくる」とか「春に3日の晴れ無し」とも言われますが、春の天気は人の心と同じように、移り変わりが激しいようです。
最近雨の日が多いようですが、春の雨は「春雨じゃ、濡れてまいろう」といわれるように、穏やかに降るのが特徴のようですね。
そしてこの時期に降る雨は、多くの作物を潤す、まさに恵みの雨と言えるでしょう。
だから今の時期に降る雨には色々な名前が付けられています。
4月20日は二十四節気のひとつ「穀雨」ですが、百穀を潤す春の雨です。
このほかにも菜の花が咲く時期に降る雨は「菜種梅雨」、草木を潤す雨だから「甘雨(かんう)」、花に早く咲きなさいと催促する「催花雨」等などもあります。
加えて「雨は花の父母」ともいわれます。
降り続く雨は時としてうっとうしいと思うこともありますが、親が子どもに愛情を注ぐように、優しく身にしみるものが有ります。
さらに「三月の風、四月の雨が五月の花をもたらす」ともいわれます。
風や雨に耐えることが無かったら、花は色鮮やかに咲くことはできないという意味です。
既に葉桜になった桜もそうです。
桜は厳しい冬の寒さに耐えて、耐えて、華麗に咲きほころびます。
快晴だけではだめだということでしょう。
人生も同じことが言えそうですね。
雨や風が無い人生に、命輝くことはないでしょう。
ところで最近「恥ずかしい」という日本の文化が、なんとなく遠い存在になったと思うのですが如何でしょうか。
「恥ずかしい」とは「はしたない」ともいえると思います。
つまり振舞いが良くないことを意味する言葉です。
さらに平たく言えば、慎みが無く、周囲への配慮に欠けることです。
食事の時の姿勢、携帯電話を掛けながらの「ながら・・・行為」、トイレからハンカチで手を拭きながら出て来る人、お絞りで顔を拭く人など、あげればきりが有りません。
ではどうするか?
「人の振り見てわがふり直せ」と言われます。
箸使いが良くない人、だらしない姿勢の人、携帯電話で話しながらの「ながら…行為」をする人などを見て、「恥ずかしい」という感情を抱くことです。
これがその人の心を豊かにする秘訣だと思います。
昔から様々な名前で親しまれてきた雨は、比較的豪雨になりにくくてどちらかと言えば靄の中に溶け込むように降る優しい雨です。
そして一雨ごとに緑が深くなっていくわけですが、そんな季節の移ろいにも関心を抱き感性を磨き、さらに「恥ずかしい文化」にも触れ、人格を磨き、品性を養い、奥ゆかしい人になるわけです。
風雪に耐えて大人になった人は、自分で自分の心を調整できるようになります。
つまり常に客観的に、自分や周囲の状況を見ることが出来るようになります。
こうなると本当の意味で、身も心も美しい生き方が出来るようになると思うわけです。
特に「山笑う」この時期には、自然に出来るだけ寄り添い、感性を磨くことをお勧めします。