マナーうんちく話535≪五風十雨≫
いよいよ「大晦日」ですが、今年はどんな年でしたか?
「晦日」は月の終わりの日で、特に一年の終わりの月である12月は「大」をつけて一年の最後の区切りにしました。
また12月は一年を払い除いて新しい年を迎えるという意味で「除月」とも言い、12月31日は「除日(じょじつ)」といいます。
そして12月31日の夕方が「除夕(じょせき)」で、夜を「除夜」と呼びます。
「除夜の鐘」の意味はここにあるわけですね。
いずれにせよ大晦日には、歳神様をお迎えするために家の中を掃除して清めて下さい。加えて身も心も清めることが大切です。
色々と一年のわだかまりがあるかもしれませんが、いつまでも根に持っていては、新年をすがすがしい気持ちで迎えることはできません。
一年の終わりの日にキチンと「けじめ」をつけることも大切だと思います。
ちなみに日本人は何事につけ、「はじめ」と「おわり」をたいせつにしてきました。だから「何事も初めが肝心」とか「終わりよければすべてよし」などといいます。
一年にけじめをつけたら、一年に感謝する事も大切です。
日本人の多くの人は正月に「初日の出」を拝しに生きますが、大晦日に沈む太陽に向かって感謝する人は少ないようです。
このコラムを詠んで頂いたら、沈む太陽に感謝されることをお勧めします。
さらに、すがすがしい気分で「ゆく年」を見送られたらいいでしょう。
ところで以前「ハレ」と「ケ」について詳しく触れましたが、大晦日は「ケ」の最後の日です。
その後、一夜明ければ「元旦」で、何もかも新しくする「ハレ」の日です。
だから大晦日には、新しい下着や晴れ着を枕元に置いて寝ました。
こうして、「来る年」をうやうやしく迎えて下さい。
新しい下着に晴れ着をまとって、氏神様に初詣するのもお勧めです。
この一年間コラム「マナーうんちく話」にお付き合いいただき誠にありがとうございました。
加えて研修会や講演で多くの方々と素晴らしいご縁を頂きありがとうございました。
どうか良いお年をお迎え下さい。