マナーうんちく話1377《正しく身につけたい「謝り方のマナー」①》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:人間関係を良好にするマナー

【初めに】

今年も介護施設、病院、商工会、企業等から接遇研修の依頼を沢山頂きましたが、相変わらず「謝罪」に関する質問が多く寄せられましたので、再度謝罪に関するマナーについて触れておきます。

私たちがプライベートやビジネスシーンでよく耳にしたり口にしたりするマナーとは、人が長い歴史の中で、様々な生活環境に対応しながら培われたまさに生活の知恵と言えるでしょう。

但しどこも同じではなく、国々の歴史、文化、気候風土、国民性、食生活さらに宗教により異なる側面が有ります。
加えて不易流行的側面を有します。
また、今では形骸化しているものも珍しくありません。

【心を込める】

謝罪に関するマナーはある程度形にはめることも大切でしょうが、先ずは「心がこもっている」ことが大切だと感じます。

心を込めるとは謝罪、願い、祈り、愛情等の気持ちを充分にふくませることを表す言い回しです。

さらに平たく言えば「如何に相手と真剣に向かい合うか」ということではないでしょうか。

当然のことながら相手と真剣に向かい合わないと相手の気持ちも理解できません。つまり心がこもっていないと、その場しのぎ、上っ面だけ、適当になってしまうということですね。

【マナーに対する心構え】

日本は「礼節の国」だと言われていますが、それはひとえに教育を大事にし、先人が築き上げた「和する心」を大切にしてきたからだと思います。

江戸時代には寺子屋や藩校で学び、明治維新後は明治新政府が我が国独自の礼儀作法を学校教育で教え、それが親から子へ、子から孫へ伝えられていきます。

従って食事の際の姿勢、美しい食べ方、はき物の脱ぎ方・揃え方、贈り物の仕方・頂き方、和室における立ち居振る舞い、参拝の作法なども当然のことながら家庭で厳しくしつけられていたようです。

それが戦後になり教育の在り方が異なり、さらに核家族化が進展するに従い、家庭や地域学校でマナーやしきたりを学ぶ機会が非常に少なくなりました。

この結果、上級学校への進学率は増加傾向にあるものの、人としての基本的マナーが理解できていない人が非常に増えてきた感が有ります。

「子は親の背中を見て育つ」と言われるように、親がマナーを知らなければそれは子どもにも伝播します。

ものを頂いた時や、世話になれば「ありがとう」の言葉を眼を見て笑顔で発する。間違いを犯したり、人に迷惑を掛ければ「御免なさい」と謝る。

この基本的なことが出来ない人が増えてきたように思いますが如何でしょうか。

「御礼」や「謝罪」は、良好な人間関係を築き持続させるうえでとても大切なことですが、どうも軽く考えている人が多くなったように思えてなりません。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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